「障害者雇用」のこと考えてみたよ!
専門学校も卒業間近となったリュウ太くん。取り返すための猛勉強や国家試験を終えて“燃え尽きて”しまったのか、「とうぶん就活はしない」「オレ 社員とか向いてない」などと言い出すので、母親のかなしろさんは気が気ではありません。息子を自立させるにはどうすればいいのか、悩んだ末に「障害者手帳」の取得を勧めてみることにします。
障害者手帳を取得すれば、障害がある人のみを対象とする「障害者雇用(障害者枠)」にトライできます。それだけでなく、手帳があれば生活や仕事で公的なサポートを受けられるので、心身に不自由を抱えた人にはメリットが大きいのです。でも、「障害者とレッテルを貼られるようで嫌だ!」と反発する当事者がいるのもまた、事実。リュウ太くんの場合は……?
リュウ太くんは結局、障害者手帳をとりませんでしたが、本書の監修・解説をつとめた石井京子さんは「一般企業の新卒採用と障害者雇用の採用の時期はズレているので、一般企業も公務員試験もダメだった場合、気持ちを切り替えて(障害者雇用に)チャレンジするのも選択肢の一つ」とアドバイス。
書籍ではほかにも、障害者雇用のシステムと利用する際のメリット・デメリットについて詳しく解説しています。人によっては、本当に困ったときに備えて「手帳をとる」という選択肢も頭に置いたほうがいいかもしれませんね。
『発達障害で問題児でも働けるのは理由がある!』
著者 かなしろにゃんこ。 監修・解説 石井京子 1400円(税別) 講談社
幼い頃から「感情のコントロールが苦手」「注意散漫」「忘れ物・失くし物が多い」などの特性があり、学校ではいつも問題児だったリュウ太くん。だけど、22歳で好きな仕事にみごと就職! 就職に際して役立ったことから当事者でなければ分からない「つまづきポイント」まで、当事者の声をもとにコミック化。専門家による解説とアドバイスも。
監修・解説/石井京子
文/からだとこころ編集チーム
構成/山崎 恵
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