東日本大震災の翌年「健康について気軽に相談出来る場所を作りたい」と創業


創業は2012年、そう東日本大震災の翌年です。人々が「命」について物凄く真剣に考えていた時ですね。

当初、創業メンバーの3名は「健康について気軽に相談出来る場所を作りたい」と考えていたのだそう。ただそういったことを事業化する場合、医療に関する法律や制限があり、なかなか具現化することが難しく、問題打破のために多くの医療関係者にお話を聞いてまわったそうです。

そんな中、とある薬剤師さんにお話を伺っていると「自分の持っているスキルをあまねく色んな方に提供したい。それはお金のためではなく困っている人がいて自分の知識がお役に立てるのであれば協力したいということです」という発言があったのだそう。

その時に「スキルをオンラインで流通させる『スキルのEC化』って有り得るのではないか……!」と閃いたのがこのビジネスのスタートなんだそうです。まだ今ほどモノのECも一般化していない時代、信頼を得られるサービスを構築するため、はじめは創業メンバーのツテで出品者を集めていたのだとか。

 

それから10年、今では450種類以上に渡るスキルが売買されているそうです。凄い数ですよね! ちなみに恋愛相談や占い、似顔絵、ナレーションなどは初期段階でニーズがあるものをリサーチしてカテゴライズしたそうですが、愚痴聞きとか「何でも調べます!」というリサーチ代行、電話の代行などこの手のものは出品者からのアイディアなのだそう。取引の数が増えてくると運営側でひとつのカテゴリーとして昇華させていくのだそうです。

 

最近では動画メディアや音声メディアに関するものの取引が増えているとのこと。例えばVチューバー向けに3Dモデリング(※)のスキルが提供されていたりするそうです。またステイホームが定着したことによりオンラインレッスンのカテゴリーも伸長しているのだとか。ココナラを追っていると世の中の流行が見えてきそうですね。

※Vチューバーとは2Dまたは3Dのアバターを使って活動しているYouTuberのこと。3Dモデリングとはソフトウェアを使用して3Dのデータを作成すること。

ちなみに長らく相談系のプライベートユースが流通高を牽引していましたが、企業のデジタル化や副業解禁の流れ、さらにコロナなどを背景に制作系のビジネスユースが伸長。リモートワークの普及により、ビジネスをオンラインで行うことへの抵抗感がなくなり、企業がルーティン業務から新規事業までココナラの出品者に仕事を依頼するケースが増加しているのだそう。そして昨年、新たにビジネスの購入に特化した「ココナラビジネス」というサービスもローンチしたそうです。
 

(ココナラ取材、次週も続きます! どうぞお楽しみに。)
 

構成/露木桃子


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