第74回カンヌ国際映画祭・脚本賞、第94回日本アカデミー賞国際長編映画賞受賞の快挙を成し遂げた映画『ドライブ・マイ・カー』。主演の家福悠介(西嶋秀俊さん)と高槻(岡田将生さん)の対決に注目の集まる本作ですが、村上春樹ワールドを作る2人の女も見逃せません。今回はヘアライターさとゆみが、妻の音(おと・霧島れいかさん)とドライバーみさき(三浦透子さん)の女性像を“髪型だけ”から徹底分析します!
【映画内容】カンヌ国際映画祭で脚本賞をはじめとする4冠を受賞した『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹の同名短編小説を、濱口竜介監督が映画化。家福悠介(西嶋秀俊さん)は、愛する妻の音(おと・霧島れいかさん)と生活しているが、その妻が秘密を抱えたまま他界してしまう。妻の死後、家福は寡黙なドライバーみさき(三浦透子さん)と出会う。さらに、生前、妻から紹介された高槻(岡田将生さん)とも再会する。
すごく体力を持っていかれる映画、だけどやっぱり……
みなさん、こんにちは。ヘアライターのさとゆみです。
『ドライブ・マイ・カー』、もうご覧になりました? 日本映画としてはじめてカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞したということもあり、ずいぶん話題になっていますよね。私もこの間、Amazon Primeで観ましたよ。うん、観た。いやもう、ぐったりんぐです。すごおおく体力を持っていかれる映画です。
でも、不思議なことに、観おわったあと、何度も思い返しているんですよね。それだけ、深い映画だったんだと思う。なんか、よせばいいのに、かさぶたを剥がしてまだ血が流れているのを確認する時のような気持ちになる映画でした。
原作が村上春樹さんの短編小説ということも、話題を呼んでいるもうひとつの理由ですが、アレですよね。もう、村上春樹さんといえば、「ボーイ・ミーツ・ガール」ならぬ、「おっさん・ミーツ・ガール」が定番ですよね。なんらかの理由でくたびれてしまったおっさんを、なぜだか向こうからやってきたガールが癒してくれるという物語(身も蓋もない言い方ですみません)。
妻(や恋人)に去られる男、というモチーフも、村上さんの作品では繰り返されるモチーフなのですが、その妻(や恋人)がたいてい、謎を残していくんだよなー。喪失からの回復と謎の解明。
ただ、原作がわりと直裁的だったのに対して、映画はとても多重な物語が交差していて、美しいミステリーを見ているようでした。とくにラストの舞台のシーンは圧巻だった。やっぱり、うん、観てよかったなと思った次第です。
と、ドラマや映画の内容には一切触れず、ひたすらあっけらかんと髪型解説するこのコラムらしからぬ真面目な感想を述べてしまってごめんなさい。
さてと! いくぞ! 髪型!
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