好きな物事やライフスタイルがブレない一方で、新しい流行や情報も積極的に追いかけ必要に応じて取り入れる柔軟さも持ち合わせている、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さん。長年、第一線で活躍されていますが、昔からちっとも変わらない、肩の力の抜けた自然な若々しさに、お会いする度に密かに驚愕させられます。多くのアラフィフ女性がぶち当たるであろう「そんなつもりなくても迫力出てしまう問題」とも無縁そうです。本連載ではなめ子さんが自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く過程をコラム+漫画の形でお届けすると同時に、「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越えるヒントを読者の皆様に与えられれば幸いです。
第一弾はなめ子さんもプライベートで愛用中、家庭用美顔器でおなじみのヤーマン株式会社を深掘りします。前回、ヤーマン本社でアプリ開発担当の金子さんに開発裏話を教えてもらい、理系男子の果てしなきポテンシャルの高さに驚愕したなめ子さん。今回はヤーマンのヒット美顔器開発担当者が登場です。
「直流ですか? 交流ですか?」と素人感全開な質問をしてしまいそうに
前回は開発部門の金子さん(もうすぐ30歳)にアプリの開発の話など伺いました。そこにまた新たな理系男子が登場。金子さんの上司の山中さん(開発部門・40代)が加わり、筐体(外装)の設計について話してくださいました。
「持ち心地だったり、電極まわりはどうあるべきか、扱いやすく効能が最大限出せるのか、デザイン的にきれいな見せ方、などを考えて設計しています」
美顔器の父、といっても良いような風格と知性が漂う山中さん。フォトプラスは、顔に当てる金属の部分が輪っかになっているのが特徴ですが、それを発明したのが山中さんだそうです。デザインかと思っていたら、意味がある形だったようです。
「それまでの美顔器は点の電極だったりするのですが、そうすると熱くなりすぎてしまったり、家庭で使うのには危ないという話がありました。どう当てたら一番安定的に使えるのかって考えて、リング状の電極を組み合わせることを思い付きました。より広く肌に接することができ、電極と電極の距離がどこも一緒で偏って熱くなることかないので安全に使えます。特許も取ってます」
電極が輪っかで何重にもなっていますが、それぞれの輪から違った出力をすることも可能だそうです。素人としては、リング状の電極はプラスマイナスがどうなっているのか想像もつきませんが、とりあえず安全ならよかったです。
「リングを増やすことでRFやEMSを同時に出すことができます」。また、「直流ですか? 交流ですか?」と素人感全開な質問をしそうになりましたが、なんとかとどまりました。唯一覚えている理科の電気回路についての用語です。
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