48歳２児の母、突然脳卒中で倒れた日「右手右脚が動かない」

「脳卒中で倒れた」という話は、日々暮らしているなかで耳にすることも多いと思います。

脳卒中とは、脳の血管が詰まる脳梗塞や、破れる脳出血などで脳のはたらきに障害が起きる病気。男女ともに高齢になるほど多いといわれていますが、若い世代でも発症することがあるのです。

48歳、2児の母であるフリーライター・萩原はるなさんが脳出血で倒れたのは、2021年7月後半のとある日曜日。小学校のPTAのビーチボールバレーで気持ちよく汗を流している最中のことでした。

まさか、こんなことが自分の身に起こるとは……！

なんの予兆もないままに生活が一変してしまった萩原さんが綴る、入院生活とその後の日常。リアルなレポートを連載でお届けしていきます。

2021年7月。子どもたちが通う学校の体育館で、異変は起こった!!

2021年7月、私は朝8時に小学校3年生の息子とチームメイトを乗せて、少年野球チームの練習場に行っていました。10時からは小学校でPTA主催のビーチボールバレーの練習。「じゃあ、昼過ぎには戻るから！」と練習場にいたママに告げ、一旦車を自宅に置いてから、小学校へ向かったのでした。

異変が起こったのは、ビーチボールバレーの練習試合を何試合かした後。いつもなら楽に届くはずのレシーブが出来ず、スパイクも空振りしてしまうのです。数分後には立っていられなくなり、体育館の隅にへたり込みました。

「どうしたの？　熱中症？」とママ友たちが駆け寄ってきたころには、呂律まで回らなくなっていたのです。

寝そべったまま気づいたのは、なぜか右手と右足が動かないこと。動かそうとしても、「し〜ん」と沈黙したままなのです。

そう伝えると、看護師のママ友がすぐに救急車を呼んでくれ、ほどなく救急隊員たちが到着しました。「あ〜。早く野球、迎えに行かなきゃ」と思いつつ、「救急車が来て、しかもみんな真剣な顔で覗き込んでいる。私、きっとやばい状態なんだな」と妙に実感。イケメンの隊員に住所と名前を問われて答え、急に体の自由がきかなくなったことを一生懸命説明しました。

右半身が動かなくて、呂律が回らない。これって、いわゆる脳卒中だよなあ。でも脳卒中って、倒れる前に頭が痛くなったり眩暈や吐き気がしたり、手足が痺れたりするんじゃ？　そうグルグルと考えていたら、救急隊員が一言。

「こりゃ、脳だな」

が〜ん！！　やっぱりか……。

「イチ、ニ、サンッ！」のかけ声とともに担架に移され、学校の廊下や階段の天井を見ながら、なすすべもなく運ばれていく私。「でも、なんで脳卒中に？　私はこれから、一体どうしてしまうの？」と、言いようのない不安でいっぱいでした。