女性が自立するために一番大切なこと


15歳で家出をしたあの日。自分で自分を幸せにすると決めました。

その時から、経済的に、そして精神的に自立したいと願い、歩き続けてきました。その願いは少しずつ叶っていると思います。そして次の目標は、そういう女性を増やしていきたいということ。カッコよくいうと、「女性のエンパワーメント」が私の人生のテーマのひとつなのです。

現在、「HOMARe:」に関わる人は30人以上。オーナーの私もそうですが、多くの方は二足のわらじさんとして、パラキャリアで働いています。現在一部の商品が5ヶ月待ちとなってしまうほどご好評をいただいて、てんやわんやの時もあるのですが、そんな中で支えてくれる大切な仲間たちです。

自活するための手段を複数持つことで、少しでも彼女たちの自立の一助となることができたら、といつも願っています。私自身も、ベースにWEBマーケティング事業で得た知識や人とのつながりなくして、「HOMARe:」を運営することはできませんでした。二足のわらじは、稼ぐ手段が複数になることもそうですが、思わぬ相互作用があると思います。

「自分で自分を幸せにすると決めたから」自活するための副業・複業の場の大切さとは?_img2
 

そして次の目標も、ひそかに温めています。

インドでボランティアをしていたとき、出会ったあの光景。立場の弱い人に、ただモノをあげてもそれで問題が解決するわけじゃないと知りました。じゃあ何ができるんだろう? 考え続けた結果、「手に職をつける、技術を学ぶ」ことが自立を助けるということに気づきました。

 

そこで、少しずつ繋がりができてきた日本各地の伝統工芸品の職人さんたちに、その技術の入口を教えてもらうことで、自立したい女性とwin-winの循環を創れないだろうかと考えました。

伝統工芸品の制作現場でどこでも問題になっているのが後継者。まだまだイメージに過ぎませんが、いつか伝統技術を女性達に受け継いでいく方法を模索したいと思っています。突拍子もない考えかもしれません。課題もいっぱいありますし、できる範囲や人数に限りもあります。

それでも、私だからこそできる仕事がそこにある。だとしたら、恐れてやらないのはもったいない。

2年前に出会い、この人だ! と感じて私からプロポーズした夫と話し合い、今は鎌倉と東京の2か所に拠点を持ち、この大きな目標に向かって仕事をしています。自然を感じること、ビジネスの拠点を都心に持つこと、二人でいる時間を大切にすること、全部をどうにかしたくて編み出した二拠点生活です。

そんなふうに、目の前に課題が現れたらばそのたびに話し合い、しなやかに前に進んでいきたい。

ぽっきり折れたりはしない。悲観したりもしない。一歩一歩、前に進んでいこう。

目指すものは大きいですが、今、そんなふうに思っています。

小島あり彩さん Arisa Kojima
1986年生まれ、大阪府出身。インド、ベトナム、カンボジアをバックパッカーとして巡り、フィリピンに2ヶ月、スペインに1年半の滞在経験あり。
いくつかの会社で営業経験を積んだのち、25歳で独立、26歳で起業。WEBマーケティング事業から派生した新進テーブルウエアブランド「Homare:」のオーナー。

▶Instagram<小島あり彩(@arisakojima0319)
取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙
写真提供/小島あり彩さん

 

「自分で自分を幸せにすると決めたから」自活するための副業・複業の場の大切さとは?_img3
 


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