一家全員コロナ罹患手記「子持ちがコロナにかかった話」が反響を呼んだ3児の母・餡蜜桃子さん。育休の合間を縫って、近頃注目の「副業マッチングサービス」を体当たりでレポートしてくれました。この度新卒入社した広告代理店に復職、そして連載もいよいよ最終回。改めて「副業」について振り返ります。
愛媛の元ヤンが副業を武器にQOLを爆上げしていくお話
最後にご紹介するのは私の親友のひとり、Eちゃんです。同い年のEちゃんは20代後半の頃、私が勤める広告会社へ派遣社員としてやってきました。自称「愛媛の元ヤン」、大阪の専門学校卒業後に上京し、既に何社か渡り歩いていました。たまに凄い金髪のメッシュヘアで出社してきたりもするけれど、本来の人柄を表すように小さくて丁寧な文字を書き、クライアントからも社内のスタッフからも愛され、のちに正社員として採用されます。
ただ、当時はアラサー、続々と周囲が結婚し出産をしていくのに対してEちゃんの私生活は「動かざること山の如し(本人談)」……。時としてメンヘラ状態に陥ると占いに課金。とある有名占い師には「貴女ほど数奇な運命の方は久しぶりに見ました。楊貴妃と同じ相が出ています!」と言われたり、「東の方角へ引っ越すといいですね。あ、でも貴女が住んでいるところから東ってもう海になっちゃいますね。……東京湾を越えて千葉に行きましょうかね……」と言われたり。飲み会のネタに関してはひとり百貨店状態です。
そんな感じで恋愛や結婚とはなかなかご縁がなかったものの、公私共に順調に年を重ねているようにみえたEちゃん。ところが35歳を過ぎた頃、自分の仕事に疑問を抱くようになります。女性の管理職を増やそうという社会的な動きに伴い、Eちゃんも山ほどある自身のタスクの他に、後進の指導などマネジメント予備軍としての業務も課せられるようになっていきました。
「私は現場の仕事が好きなのになぁ……。人に教えて傍から見守るんじゃなくて私も手を動かしたいのに……」 ランチのたびにEちゃんはこぼしていました。そして転職の二文字が頻繁に話題に上がるようになります。私なんぞはひとつの会社にずっといて理不尽なことがあってもわりと受け入れてしまう超ドメスティック型の人間のため「Eちゃん待って! 求められているうちが花だよ! 仕事は仕事で受け入れて趣味を充実させるとか私生活の満足度を上げていったほうがいいんじゃないかな?」と何度も引き留めました。
でもEちゃんは一見安定しているように見える会社に見切りをつけ、新進気鋭のベンチャー企業へさっさと転職していってしまいました。これだから四国のオンナは……!! 私の心の師匠、高知出身の人気漫画家・西原理恵子さんがよく語られる四国のオンナの度胸と危うさを目の当たりにし、思わず毎日かあさんが頭に浮かびました。
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