夢は若い頃に叶えられなかったらおしまい、という時代ではもうない


23~24歳の頃、ひと周り年上の先輩方と飲みに行くと「オレはもうオレの歌声で武道館をいっぱいにすることはないんだなぁと思うとせつないんだよね。」「わかるわかる。30歳過ぎると将来の夢が夢のまま終わっていくのを実感するよねぇ~」と頷きあいながらお酒を酌み交わしているシーンをよく見ました。みんな立派な会社で活躍しているのに……。でも自分がその年齢に近づくにつれ「わかる……。やっとわかったよ先輩……!」と100回くらい首を縦に振っている自分がいました。

いつか○○になりたい、○○な暮らしがしたい……。そう思い描いていた夢がどうやら叶わなさそうだと気付いた時、そっと心の蓋を閉じ、いま直面している現実の世界で少しでもマシに生きていければいいやというベクトルにシフトしていく人、多いのではないでしょうか?

私もそうです。小さい頃から叶えたかった夢がある。でもそれは40歳が近づく今、まだ叶えられていません。そして有り難いことに今持っている仕事、家族、周囲のあれこれ……どれも気に入っていて大切なものばかりなのでこの生活を変えて夢に一本やりというマインドにもなれません。でも夢を夢のまま終わらせていいのだろうか……という自問は常にしています。

この連載を重ねていくごとに、副業を持つことで様々なモヤモヤを少しずつ晴らしていくことが出来るのではないか……という気付きを得ました。

「本業には出来なかったことに副業としてチャレンジしてみる」
「いつか叶えたいことの準備を副業から始めてみる」
「しがらみに囚われず自分がやってみたいことに純粋に挑む」
「なかなか認めてもらえない自分の力試しをする場所を得る」
「自分が貢献できるフィールドを増やす」

趣味やボランティアでもいいとは思います。しかし敢えて副業(=仕事=対価が発生する)として取り組むことで、より真剣に道を開いていくことが出来るのではないか、そう感じています。

 

人生100年と考えるとミモレ世代の皆さんはまだ道半ばという年のころです。夢は若い頃に叶えられなかったらおしまい、という時代ではもうないと思うのです。副業にも様々なマッチングサービスが存在するように入り口はこれからもどんどん大きく開かれていくことでしょう。輝けるフィールドを小さくても沢山作っていくことが、自信を持ってしなやかに生きていくための大きなステップになる、この連載を通して私はそう学ぶことが出来ました。

全15回に渡る連載をお読みいただきまして有難うございました。またお会いできる日を楽しみにしております。

【完】

 
構成/露木桃子
 


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