日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、引越しや異動、転校などの転機で出くわしそうなモヤモヤエピソードです。

 


社宅の皆さんの「内輪ネタトーク」に疎外感……


エピソードをお寄せくださったのは、この春ご家族の異動によって引っ越しされたというケイコさん(40歳・主婦)。

皆さんにアドバイスいただきたいです!

4月に夫が異動し、小学生の息子と三人で地方に引っ越しをしました。モヤモヤしているのはご近所付き合いのことです。新居は社宅なので、住人はみな夫の同僚。この春新しく入居したのは我が家だけなので、なかなか皆さんの会話の輪に入れないんです。

小学生たちの集団登校の待合せ場所、社宅管理に関するあれこれの説明会、休日に敷地内で子どもたちを遊ばせているとき。皆さんとても仲がよさそうで、「〇〇さんはいつもそんなこと言って~」「この前■■さんが言ってたお店、行ってみたよ」とおしゃべりが盛り上がっています。その和気あいあいとした感じも、これまで普通に賃貸マンションで暮らしていた身からするとびっくりしてしまいます。

最初の頃は自己紹介で間がもっていたのですが、だんだん「内輪ネタトーク」に疎外感を感じるように。この地方に友人もいないですし、せっかくなのでここでの生活を楽しみたい。ご近所さんたちに色々教えてもらいたいなと思っています。でも、盛り上がっている会話に水を差したくはない……。どうやって輪に入ったらいいと思いますか?

 


「水を差しちゃ悪い」新入りさんが気にしているほど、他の人は気にしていない?


これは、「春あるある」のモヤモヤかもしれませんね。

引っ越し先のご近所さん、転校先のクラスメイト、異動先の同僚たち……。すでに出来上がっている人間関係に入って行くのは、多くの人にとってドキドキ緊張するものですよね。

自分だけが知らないエピソードや噂話。みんなが盛り上がれば盛り上がるほど、「私の存在、無視されてる……?」と悲しくなってしまう。他の人に悪気はないと思いますが、おしゃべりに夢中になってついつい新入りさんへの配慮に欠けてしまうこともありそうです。

まずは勇気を出すために一度、「新入りさんを受け入れる側」の立場にたって想像してみましょう。

新入りさんが「その〇〇さんって、どんな人なんですか?」「その話、詳しく教えてください」と口をはさんだとき、「せっかく仲間内で盛り上がっているのに、水を差された!」と思うでしょうか。きっと思いませんよね。「私たちの仲間に入りたいと思ってくれているのね」と嬉しくなりこそすれ、「入ってこないで!」とは思わないのではないでしょうか。

「話の腰を折ったら悪い……」と思うケイコさんは、繊細な配慮ができる優しい人だなと思います。一方で、「和気あいあいと楽しそう」な皆さんが、勇気を出したケイコさんを冷たくあしらったりはしない気がします。たぶん、気にしているのはケイコさんだけ! 一瞬会話を止めてしまったとしても、きっとすぐまた話が盛り上がるのではないでしょうか。

 
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