片づけは必ず終わる! そう信じて


重い腰を上げて片づけを始めたものの、「こんなにモノが溢れていて本当に終わるのだろうか……」と途方に暮れた経験はありませんか? 実は片づけのエキスパートであるこんまりさんですら、「ここは魔界か?」とめまいがするほど散らかった家に遭遇したことがあるそう。

それは1階が事務所、2階と3階が居住スペースというお宅でした。事務所を抜けて居住エリアへつながる扉を開けると、突然猫のトイレが! その周りにはキャットフードが散らばり、さらに奥へ進むと本で埋め尽くされた階段が続いていました。階段の木目が見えなくなるほど積み上げられた本の山。本をかき分けようやく辿り着いた家主の部屋は、ポールに吊るされた洋服で覆われ、「洋服の洞窟」と言っても過言ではないほどの有り様でした。

そんな魔界のようなお宅でしたが、時間をかけてじっくり片づけに取り組んだところ、見違えるような空間になったのだとか。もともとアート好きだった家主の部屋からは陶器の置物や絵画がたくさん出てきて、それらをモノが減ったスペースに飾ったら、画廊のような個性溢れる空間になりました。

 

この話からもわかるように、どんなに散らかった空間でも必ず片づけの終わりは訪れます。片づけは物理的な作業なので、必ず終わりが来るということを忘れないで。

 


片づけが苦手な人にこそ伝えたいこと


片づけに対して苦手意識があって、なかなか片づけ祭りを始められない。そう思っている方は少なからずいると思います。でも実は、片づけが苦手な人こそ、劇的に片づけができるようになるということをご存知ですか?

それは人生で想像したこともないようなインパクトが起きた時、人は劇的に変わるから。

片づけが苦手な人は、そもそも片づけレッスンのためにあえて散らかしたのでは? と疑いたくなるような見事な散らかりっぷりの方が多いそう。ですが「片づけが苦手」というのは思い込みに過ぎません。正しい方法を知らず、片づいた状態を経験したことがなかっただけなのです。片づけが苦手な人は、逆に一度片づけた後のマメさがすごく、こんまりさんのもとには「妻がすっかりマメになってまるで別人のようです!」という驚きの声も寄せられています。

いつまでも散らかった部屋で過ごすのは人生を無駄にしているようなもの。苦手意識を捨てて、今こそ自分のペースで片づけを始めてみましょう。次回からは、挫折しそうな方に送る効果的な片づけ方法や収納方法をお伝えしていきます。

構成・文/井手 朋子

 

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近藤麻理恵、川村元気 著
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近藤麻理恵さんがこれまでに片づけてきた1000以上の部屋にまつわる実話を基に、映画プロデューサー川村元気氏が紡ぐ7つの部屋の物語。
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前回記事「​わたしがこんまりコンサルタントになる理由」はこちら>>
 

 


近藤 麻理恵さん

 片づけコンサルタント。5歳から『ESSE』などの主婦雑誌を愛読。中学生のときに本格的に片づけの研究を始め、大学在学中の19歳の時、コンサルティング業務を開始、独自の片づけ法「こんまり®メソッド」を編み出す。2010年に出版した初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国以上で翻訳出版され、シリーズ累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに。「KONDO」という言葉がアメリカでは「片づける」という意味として使われるようになるなど、社会現象となる。2015年、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出され、活躍の場を海外に広げている。2019年よりNetflixにてスタートした冠番組『KonMari—人生がときめく片づけの魔法—』が190カ国で放映されている。 現在は、こんまり®メソッドを使った片づけレッスンを提供する「こんまり®流片づけコンサルタント」を育成し、日本を含め世界60カ国以上で約850名が活躍中。

 
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