漫画/上野りゅうじん

ある日突然心肺停止で倒れるも、奇跡的に生還した医療ライターの熊本美加さん。倒れた時から現在までの体験を克明に記録した「蘇りルポ」は、ネット上で大きな反響を呼びました。

そんな「甦りルポ」を分かりやすいマンガにし、主治医の東京都済生会中央病院・鈴木健之先生の監修のもと一冊にまとめたのが『山手線で心肺停止! アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて』です。今回はその中から、意識が回復した後の入院生活で起きた、まさかのお話をご紹介します。

 

ギザギザハートの入院生活

 
 

意識を取り戻した熊本さんを待っていたのは、心肺停止で脳が酸素不足に陥ったことによるダメージと、それが引き起こす障害でした。妄言、暴言を周囲は必死に止めますが、本人は自分に障害があることがわからない。そこに入院のストレスが重なってどんどん凶暴化していったのです。

「自分はまとも。どこも悪くない!」と信じて疑わない熊本さんは、病室からの脱走を試みます。2回目の脱走も失敗に終わると、鍵付きのベルトでベッドに拘束され、一人ではトイレも行けない状態に……。可哀想ですが、病院の外で事故やトラブルに巻き込まれては一大事。熊本さんのためにはこれが最良の選択だったのです。

 
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