おひとりさまにとって「もしもの時」への備えは切実な問題。とくに40代、50代以降は親や兄弟も高齢になっている場合が多く、いざという時に家族を頼れない、という事態も十分考えられます。
ある日突然倒れたら、私の面倒は誰がみる? 家に残されたペットたちの世話は? そんな「まさか」の体験をマンガ化、役立つ情報とともにまとめたのが、医療ライターの熊本美加さんによる『山手線で心肺停止! アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて』(監修:鈴木健之/東京都済生会中央病院)です。
倒れた熊本さんが救急搬送され、人工心肺につながれたのは心停止から50分後のことでした。なんとか一命は取り留めたものの、いまだ昏睡状態。医師からは「心停止した時に脳がダメージを受けていた場合、回復してもなんらかの障害が残る可能性もある」との説明が……。
重苦しい空気のなか、駆けつけた家族の間で交わされた会話とは。また一人暮らしの熊本さんが、万が一自分の身に何かあった時のためと準備していたこととはーー?
家族は悲しみと冷静のあいだに
父親はすでに高齢、姉は義母の介護で手一杯……。幸い、妹さんが名乗りを上げてくれましたが、一人暮らしの身に万一のことが起きた場合、その介助を誰がするのかというのは切実な問題です。
しかし、3匹の猫たちはどうなる……?! 幸い、熊本さんは友人たちと「猫互助会」なるものを作っていました。誰かが出張や旅行などで家を空ける時は、お互いのペットを世話する体制を整えていたのです。妹さんがそのうちの一人と連絡をとってくれたおかげで、入院中は友人たちが交代で猫たちの面倒をみてくれることになりました。ペットを飼っている人はこうした備えも必要ですね。
しかし、熊本さんはいまだ昏睡状態。いつ何があってもおかしくない、綱渡りの状態が続きました。
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