なぜ妻は夫を受け入れないのか〜性機能の衰え

「年なんだからセックスは無理!」はもう古い。中高年の性生活は「痛み」対策しながら充実できる_img1
 
【相談者】後藤 康さん(仮名/50代前半)
「現在、結婚15年目なのですが、妻が痛がって、セックスのときに挿入できないんです。ここ10年ほどは子育てに追われ、夜の営みは半年に1度あるかないか程度。しかし長男が中学に上がって、子育ても手がかからなくなったこともあり、久々に営みを再開しようとしたのですが、いざ挿入しようとしても、妻は顔をしかめるだけ。新婚当時は、妻もセックスを楽しんでいたので寂しさが募ります。どうしたらよいのでしょうか……」
 

子育てが一段落し、久々にセックスを再開しようとするご夫婦は多いものです。ここで考えられる原因として、まず「性機能の衰え」が挙げられます。

女性は更年期になるとエストロゲンが減少します。その影響によって次のようなセックスにおける変化が考えられます。

①子宮、腟(入口・奥)が小さく狭くなる。
セックス、セルフプレジャー、マッサージなどをまったく行わず、性器を放置していると、脳が「使われない臓器」と判断します。女性ホルモン分泌機能の低下から性器への血流も低下し、どんどん萎縮して筋肉も衰えて、硬くなっていきます。

②神経が集中するクリトリス、デリケートゾーンの皮膚・粘膜が薄く弱くなる。
これにより、摩擦に弱くなり、炎症を引き起こしやすくなります。

③性欲が低下し、オルガズムを感じにくくなる。
オルガズムを感じると、脳では「βエンドルフィン」という「痛み止め物質」が放出されます。オルガズムを得られないと、この「βエンドルフィン」が放出されにくくなり、さらに痛みを感じやすくなるのです。

これらでわかるように、特に女性は、パートナーのことが好きとか嫌いとか関係なく、加齢によるホルモンの変化によって、心と身体に大きな変化が現れているのです。