桜子さんの「女の最高値は27歳」が判断力を鈍らせた!?
ご主人と千里さんの出会いは、いわゆる「合コン」。当時、ドラマ『やまとなでしこ』が流行って、桜子さんのセリフ「女は27歳が最高値」というセリフに憧れと焦りを感じていた千里さんは、とにかく結婚を視野にいれて、今で言う「婚活」を始めたそうです。
そこに登場したのが、税理士の卓也さんでした。寡黙な中にも、男らしさを感じ、とんとん拍子に交際スタート。
「今にして思えば、新婚旅行中にビデオカメラを地面に落としてしまったとき、彼が激高したことがありました。平謝りするしかありませんでしたが、わざとではないので、そこまで責め立てる彼に少し恐怖を感じました。『いくらしたと思っているんだ! 修理代は出せよ!』という言葉に、ああ、お坊ちゃんなのにお金には細かい人なのかなと感じました」
聞くところによると、卓也さんのご実家は都内に土地を持っていて、小さいながらにアパートや駐車場を所有しているとか。その上、ご本人は税理士なのですから、結婚をしたかった千里さんが、「彼こそ運命の人」と錯覚しても無理はありません。
しかし、一事が万事とはよく言ったものです。
「都合が悪いときに逃げる」、「お金に細かい」、「義母も少し変わっている」。これらのサインは、のちに大きくなり、千里さんを苦しめることになります。
夜泣きには耳栓とアイマスク
結婚後は、都内に独立タイプの二世帯住宅を構え、義両親が階下世帯に住む生活が始まりました。二人の子どもに恵まれ、ときに自身のご両親の助けも借りながら、なんとか子育てに必死に向き合ったという千里さん。しかし、夫の卓也さんに対する不信感は少しずつ膨らんでいたと言います。
「とにかく、ずうっと都合が悪いときはゲームをしているんです。スマホになってからは、You TubeやNETFLIXも加わりました。
一人目の産後から、ずっとその調子でした。
子どもが泣いていてもお構いなし。私が新生児育児にナーバスになって、『うっかり世話が行き届かなくてこの子が死んでしまったらどうしよう……』と、夜中にホルモンの暴走炸裂でしくしく泣いていても、子どもと私の泣き声が耳に入らないとように耳栓。ご丁寧にアイマスクも。
確かに彼は税理士法人での仕事が忙しく、早朝から出勤なので仕方ないのですが……あまりにも他人事。数年前に、プロポーズしてきた人と同一人物とは思えません。目の前に解決すべき問題があるのに、決して向き合わない。その姿勢に気が付いて、背中がひやっとしました」
たしかに、個人でSNSやサブスク、オンラインゲームを楽しめる環境になってから、ひたすらバーチャルな世界に入り浸るパートナーへの不満をよく耳にするようになりました。
浮気や暴力、といった派手な問題点と比べると、実害は少ないようにも見えますが、過度なゲーム好き、スマホ依存は、「自分の思い通りになる世界への逃避」であり、パートナーはそれを見ているだけでも精神的ダメージを負うことがあります。
夫のそうした側面に気づきながらも、子どものため、とできるだけ家の中が明るくなるように努めていたという千里さん。
しかし、思いがけない「横やり」が入るとは、想像もしていませんでした。
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