「あなたの結婚生活は、幸せですか?」

この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。
おそらく多くの方が即答はできず、言葉を濁したり、あるいは驚くべき夫婦事情を口にすることもあります。

「婚姻制度」が定められたのは、実は120年以上前の明治時代。社会も価値観も変化していく中、多くの夫婦が様々な問題を抱えているのが現実です。

この連載では、現代の夫婦が抱える問題について取材。結婚生活は山あり谷あり。そのとき夫婦は、どのような選択をするのでしょうか?

 

ご主人との不仲が原因で別居をし、一時は本気で離婚を考えたというアキコさん。前編では別居に至るまでの経緯を伺いました。

コロナ禍の在宅勤務・娘さんの幼稚園の休園により家庭環境が激変し、夫婦喧嘩が絶えなくなったため、アキコさんはご主人に一時的な別居を提案。あくまで夫婦がお互いに冷静になるための提案でしたが、なんとご主人が音信不通になってしまいます。

取材者プロフィールアキコさん(仮名)43歳
職業:ライター
家族構成:2歳上の夫、6歳の娘、ポメラニアン

 

 


電話もL I N Eも、娘の動画も無視……音信不通になった夫


「夫が家を出て行ってからも、私はたびたび連絡を入れていました。別居は喧嘩別れのような形で始まったので、最初は彼の行き先も知らなくて。『どこにいるの?』『ゴハン食べてる?』というLINEに反応がなくても、しばらくは気にしていませんでした。忙しいのかな、まだ機嫌が悪いのかも、なんて軽く考えていたんです」

商社勤務という職業柄、もともと出張も多く、ホテルの会員ポイントなども多く所持していたというご主人。よってアキコさんは、彼も近場のホテルで羽を伸ばしているだろうと楽観的に考えていました。

ご主人との夫婦喧嘩が一時休戦となり家庭が落ち着いたとはいえ、アキコさんは父親不在のワンオペ育児をこなすことで精一杯。

気づくと、2週間近くご主人からの返信はありませんでした。

「1週間ほど経ってから、あれ? と思い始めました。そろそろ帰って来たら? と電話もLINEもしましたし、娘の写真や動画を送ったりしましたが、すべて無視されたんです」

何度連絡をしてもまったく反応のないご主人がいよいよ心配になり、アキコさんは仕方なく義母に連絡。するとご主人は、なんと関東郊外の実家に帰っていました。

そして事態は、想定外に悪化していたのです。

「電話口の義母はあくまで大人の対応で、淡々と夫が実家にいることを説明してくれました。ただ、『やっと電話して来たのね』みたいな感じは口調に表れていて……。夫に電話を代わってとお願いするとやんわり断られ、じゃあ一度そちらに伺うと申し出ると、『息子のことは、しばらくそっとしておいてあげてください』と、きっぱり断られました。私が“悪者”のような立場になっていたのは明らかでした」

驚いたアキコさんは再びご主人本人に連絡を取ろうとしましたが、やはりすべて無視。

なんとここから、半年以上もご主人と直接話すことはありませんでした。