好きな物事やライフスタイルがブレない一方で、新しい流行や情報も積極的に追いかけ必要に応じて取り入れる柔軟さも持ち合わせている、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さん。長年、第一線で活躍されていますが、昔からちっとも変わらない、肩の力の抜けた自然な若々しさに、お会いする度に密かに驚愕させられます。多くのアラフィフ女性がぶち当たるであろう「そんなつもりなくても迫力出てしまう問題」とも無縁そうです。

本連載ではなめ子さんが自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く過程をコラム+漫画の形でお届けすると同時に、「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越えるヒントを読者の皆様に与えられれば幸いです。今回はミモレ編集部のエディターをナビゲーターに、あのスターの舞台公演に潜入します。
 

40代でも青年役に違和感なし


女性たちが次々と吸い込まれていく明治座の建物。氷川きよし特別公演が開幕しました。ここ最近の紅白の舞台を楽しみにしている者として、今回、初めて拝見させていただきます。ミモレ編集部きっての氷川きよしファン、山崎恵さんの連載記事で予習し、会場に向かいました。

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イラスト/辛酸なめ子

やはり女性ファンが9割くらいで、時々母や妻に連れて来られたような男性客も散見されます。氷川きよしコンサートに一緒に来る夫婦は、かなり円満なことが想像できて、ポジティブなヴァイブスが伝わります。山崎さんによると、氷川きよしファンは「感動的にマナーが良い」とか。清く正しいイメージの歌手を応援すると、その雰囲気が伝染するのでしょうか。

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各所に一緒に写真が撮れる板人形があり、サービス精神を感じます。

グッズコーナーでは、今回の特別デザインのペンライトや、登場人物に扮した写真のアクリルスタンド、ピルケース、おかき、人形、トートバッグなどが販売。アロマスプレーがあったり、ポーチのデザインがかわいかったり、女心をつかむラインナップ。キーホルダー1500円、ペンライト3500円、人形2400円といった価格設定ですが、客層的には余裕で買えそうです。

 

CDやDVD以外にも、氷川きよしがCMに出ている明太子の「かねふく」の物販コーナーがあったり、ご愛用ホワイトニングジェルのサンプルが配布されたり、双方にとってプラスになる形で企業とコラボしています。

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物販ゾーンには、かねふくの明太子コーナーも。出身地、福岡といえば明太子です。

そしていよいよ開幕です。第一部の舞台「ケイト・シモンの舞踏会〜時間旅行でボンジュール〜」は、なんとヨーロッパが舞台。氷川きよしが演じるのは主人公の子門慧音(しもんけいと)。ファミマで楽しい仲間たちとバイトしながら、歌手を目指しています。40代でも青年役が違和感ありません。

(編集部注:以下、ネタバレあり。結末を知りたくない方は読まないことをお勧めします)

 
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