越境学習とは、普段の環境(ホーム)と普段とは異なる環境(アウェイ)とを往還することで生まれる「価値観の揺らぎ」により、「気づき」「発見」「学び」を得る学習方法。
『新時代を生き抜く越境思考 ~組織、肩書、場所、時間から自由になって成長する』より

40歳からはすすんでホームとアウェイを行き来する!読者インタビューからも見えてきた「越境学習」のススメ_img0
 

慣れた環境からちょっとズレてみたとき、多くの人が感じるのは違和感や葛藤です。

「え、これがこの仕事では常識なの?」
「上司が年下ってなんか嫌」
「やっぱり職場のデスクの方が仕事しやすいな~」

そんなモヤモヤをただのストレスにしてしまわずに、学習の機会ととらえるためにはどうすればいいのか。すでに越境を実践されている、ミモレ読者のお二人に話を聞いてきました。

 

ミモレ読者も実践!アラフォーからの「越境学習」


 Aさん(47歳)の場合 

一人目は、昨年冬に14年の専業主婦生活から卒業し、税理士事務所で週三回働きはじめたAさん47歳。外出の多い税理士さんたちのために、スケジュール調整したり資料を整えたり、秘書のようなお仕事をされています。

「もう少し人手が欲しいよねということになり、この春採用されたのはまだ20代半ばの若い方。ベテランの先輩に、『Aさん、教育係やってみる?』と言われてびっくりしてしまいました」

「私には無理です」と断ることもできたのかもと言うAさんですが、挑戦してみることに。毎日一時間、後輩に仕事の段取りを教えることになりました。

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「人に教えるのって難しいですね。でも、わかりやすく説明できるようにいろいろ工夫してみたんです。業務を箇条書きにしてみたりお客さまリストを整理したり。ワードもエクセルもろくに使えなかった私がですよ!」

教育係に挑戦したことで、仕事をもっと効率化したい・気分良く働けるようにしたいと、意欲が高まってきたというAさんです。

 Bさん(38歳)の場合 

そしてもう一人、エンタメ業界で働くBさん38歳。コロナ禍を機に完全リモートワークになったことから、ワ―ケーションを試してみることにしたそうです。

選んだ場所は、もともと観光地として好きだった長野県松本市。土曜日に現地入りしてお母さんと合流。一泊二日の母娘旅行を楽しんだ後、松本市内のワ―ケーション用宿泊施設に移動し、月曜日から5日間のリモートワークに入りました。

「ワ―ケーションすることを同僚に報告したときはドキドキしましたが、『リモートワークの延長線ですよね。私もやりたいな』とアッサリ。久しぶりに母親孝行できて、自分もリフレッシュ。日の出とともに起きて、夕暮れを眺めながら買い物に行って、ご飯をつくって……。東京の狭い1DKで在宅勤務していたのとはまったく違う、健康的な生活を送ることができました

自由な発想が必要な仕事とワ―ケーションは相性がよい気がする、とキラキラした目で語ってくれました。

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「越境学習は葛藤が原動力。(越境する当事者は)葛藤の気持ちを保存しながら学びを得て成長していく」
『新時代を生き抜く越境思考 ~組織、肩書、場所、時間から自由になって成長する』より


繰り返しになりますが、越境とは「ホームとアウェイを行ったり来たりすること」。そこで生まれる葛藤や価値観の揺らぎが、私たちの学びの原動力になります。

年齢や経験を重ねるほど、人は自分のペースを守るように行動したくなるのではないでしょうか。みずからマンネリに陥ってしまっているミドル世代も多いかもしれません。

あえてちょっとお尻をズラし、ホームとアウェイの行き来で、自分に刺激を与えませんか?


文 /梅津奏

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前回記事「金曜日と日曜日は「キャリアを見直す」ワークの日。悩むのではなく、考えよう!」はこちら>>

 
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