春ドラマ、そろそろクライマックスですね。

『元彼の遺言状』の主人公、敏腕弁護士・剣持麗子(綾瀬はるかさん)。
『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』の主人公、ポンコツ社員・田中麻理鈴(今田美桜さん)。

ワーキングウーマンを描く春ドラマのヒロイン二人。ぱっと見は真逆のキャラクターですが、意外な共通点を見つけました、

それは二人とも、「悩むのではなく、考える」タイプであること。うじうじめそめそしているシーンが実に少なく、いつも「キャリアにおいて自分が望むもの(麗子はお金、麻里鈴は出世)」「次に何をするか」を考えています。二作ともストーリー展開のテンポがよく、観ていて爽快なのはこの辺に秘密がありそうです。

世界の本田圭佑さんも言っていましたね。「Don’t be concerned! Think!(悩むな、考えろ!)」


金曜日と日曜日のワークで、「キャリアを考える」を習慣にしよう


そもそも、「悩む」と「考える」はどう違うのでしょうか。この二つをいっしょくたにしてしまうと、悩みにとらわれ、動けなくなってしまいかねません。麗子のように生まれながら強いメンタルの持ち主ではなく、麻里鈴のように強力なブレーン(江口のりこさん演じる峰岸先輩)がいるわけでもない人に向けて、キャリアの悩みへの向き合い方を教えてくれる本をご紹介します。

キャリア論・組織論を専門とする法政大学キャリアデザイン学部教授、田中 研之輔さんによる、自分らしく生きるための「キャリアの教科書」です。

田中さんは、前著『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)でも、アイデンティティ(自分らしさ)とアダプタビリティ(変化適合力)を重視したキャリア形成を提唱。本書ではさらに具体的に、キャリアの悩みの渦からどう脱却するかを解説しています。転職・復職・副業など、具体的なキャリアの転機をイメージしているわけではない人にとっても、「キャリアを考える習慣」をもつことがいかに大切かを伝える一冊です。

 

「働いていると悩みは尽きないし、毎日キャリアについて考えているけど……」という方もいるかもしれませんね。

しかし、モヤモヤと頭の中で悩むこと=「考える習慣」ではありません。田中さんが提案するのは、メモを書くワークの習慣化。毎朝晩書くワーク・思いついたときに書くワークなどいくつかのパターンが紹介されていますが、習慣化しやすそうなものとして、毎週金曜日と日曜日のワークが特におすすめです。

金曜夜のセルフメンテナンスワーク(所要時間10分)・うまくいったこと、いかなかったことを3つずつ書き出す
・セルフメンテナンスチェックシートにチェックを入れる

忙しいウィークデイが終わった金曜日の夜。一人になれる空間を確保し、一分間目を瞑り心を落ち着けてから取り組みます。週末の休みに入る前に一度心を整理する時間です。

日曜夜のビジョンワーク(所要時間15分)・ビジョンワークシートに、次の一週間に向けたセルフビジョンを書き込む
・記入するのは、「ビジネス」と「ライフ」の二つの項目

新しい一週間のスタートに向けて、自分のキャリアビジョンを明確にしておくワークです。ビジョンといっても構える必要はなく、一週間のスケジュールをイメージしながら、「自分はどうありたいか」「何を達成したいか」を具体的に書きます。


ノートやスマホのメモに書くのもいいですし、SNSに記録するとか、友人や家族と一緒に取り組むのもいいかもしれませんね。悩みにがんじがらめになって動けなくなっている人は頭の中が混乱しているので、ワークに取り組むことで思考が整理できるのではないでしょうか。

 
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