増えてきた肌悩みに応えることにばかり気を取られていませんか? 40代からこそビューティは自由に、アグレッシブに、そしてエモーショナルに楽しむべき! 長引くご自愛モードはもう終わり! 新しい時代を感じる、スタイリッシュでパワフルな美容のムードを美容ジャーナリスト永富千晴さんが解説します。

vol.9 “恋できるおばちゃん”が使いたいコスメ

 


おばちゃんであることは
潔く認めた方がある意味楽しい


夏だから? 久しぶりにお出かけ気分が高まっているから? 最近、私の周りの同世代の女性たちは、みんな恋しています。私も含め、40代や50代の方々なので、一般的には「おばちゃん」というカテゴリです。でも肝心なのは、「恋愛できるおばちゃんか、そうじゃないか」だと近頃思うんです。
ひとくちに「おばちゃん」というと、ネガティブなイメージがあるかもしれませんが、腫れ物的なおねえさんと、キレイなおばちゃん。圧倒的にキレイなおばちゃんの勝利だと思いませんか? 思ったことをつい言っちゃう、遠慮がなくなる……そんな言動も、実は悪いことばかりではなくて、たとえば初対面の男の子や若くてイケメンの店員さんに対して「お兄さんかっこいいですね」なんて、若いころなら絶対に面と向かって言えなかったことも、平気で言えるようになった。なんて人もいるのでは?

でもそれ、すごくいい! と思います。だって、自分より明らかに年上の女性に対して、黙っていても言い寄ってくる……なんて男子、超レアなので、いいな、かっこいいなと思ったら女性のほうから伝えないと、発展する可能性はまずありませんので、いい意味で、おばちゃん力の発揮しどころ。
で、大切なのが、そこで男の子が「悪い気がしないな〜」「1回くらい、アリだな笑」というラインに入れるかどうか、ということだと思うんです。

 

恋ができるおばさんは、
奥ゆかしくて謙虚


要するに、自分自身が恋心を抱けるかどうかではなく、相手に「ちょっといいかも」と思ってもらえるかどうか。そのためには、やっぱりキレイであることが大前提。恋したいと思うなら、当然、抜かりなく手入れをする必要がありますが、そこで「なんにもやってないんですよ!」と言うのは、ちょっとズルい。「私なんて……」「やらないとヒドイんですよ……」と少しの自虐もありつつ、最低限マナーとして手をかけていることを正直に言う人。モテるのは断然こっち。実際、その美しさを保つためには相当な努力をしているはずなのに、「頑張ってようやく人並み」というような謙虚さを見せられるのは、すごいことだと思うんですよね。髪を振り乱して働いていると、つい奥ゆかしさを失いがちで、ただでさえ「思ったことを遠慮なく言う」傾向が強まる中で、滲み出る「私なんて……」という奥ゆかしさと「でもちょっと頑張る」感を身につけたおばさんは、間違いなく、恋愛できるおばさんだと思います。