ジェニファー・ロペスのドキュメンタリー作品、Netflixの『ハーフタイム』を鑑賞しました。
ジェニファー・ロペスといえばストイックな努力により、50歳になって全米スーパーボウルのハーフタイム・ショーに出演するという夢を叶えた、強い女性。それよりずっと前から大スターであり、美貌と才能で幸運の女神に微笑まれた恵まれた存在に見えますが、実は全然そうではないことが、この作品を観るとよくわかります。あの自信に満ち溢れて見えるJ.Loが、50歳になるまで自分に自信がなかったなんて、信じられるでしょうか。
2021年に50歳という史上最年長に加え、ラテン系女性歌手としても史上初の、スーパーボウルのハーフタイム・ショーのヘッドライナーを務めたジェニファー。その快挙は世界中の女性たちに勇気を与えたのですが、ジェニファー自身はこれを『ハーフタイム』の中で「最悪の企画」と言い、怒り心頭。
それはなぜか。本来ならばヘッドライナーには20分程度のパフォーマンス・タイムが与えられるのに、ジェニファーは同じラテン系歌手のシャキーラと共同ヘッドライナーにされた上、それぞれのパフォーマンスの時間はひとり5分未満。これは白人の歌手ならば考えられない、屈辱的な待遇だったのです。
その前年にジェニファーは、主演映画『ハスラー』のストリッパー役でゴールデン・グローブ賞にノミネートされます。このノミネートも、スーパーボウルのハーフタイム出演も、どちらも彼女の悲願だったこと。米ヴァニティ・フェア誌は映画のレビューで「これまで過小評価されてきた彼女が、正当に評価されるときが来た」とジェニファーの演技力を絶賛していました。しかし、前評判ではオスカーノミネートも確実だと言われていたにもかかわらず、実際は賞の獲得はおろかノミネートもなし。ちなみに、ゴールデン・グローブ賞を獲得したのは『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーンでした。
1997年に映画『マレナ』で素晴らしい演技を見せたときも、ジェニファーを女優として真剣に扱うマスコミは少なく、そこから2019年、出演作品30作目にしてやっとゴールデン・グローブ賞にノミネートされるまで、何と20年もかかっています。そんな不平等に対し、恋人のベン・アフレックには「私はラティーナ。公平に扱われることは期待してないわ」と話していたそう。
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