好きな物事やライフスタイルがブレない一方で、新しい流行や情報も積極的に追いかけ必要に応じて取り入れる柔軟さも持ち合わせている、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さん。長年、第一線で活躍されていますが、昔からちっとも変わらない、肩の力の抜けた自然な若々しさに、お会いする度に密かに驚愕させられます。多くのアラフィフ女性がぶち当たるであろう「そんなつもりなくても迫力出てしまう問題」とも無縁そうです。
本連載ではなめ子さんが自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く過程をコラム＋漫画の形でお届けすると同時に、「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越えるヒントを読者の皆様に与えられれば幸いです。昨今の円安の影響で「投資信託で含み損が生じてしまったので、なんとか回収すべく識者の方のご助言を仰ぎたい……」というなめ子さん。前回に引き続き、金融のプロとして多数連載を抱えるニューレディーの肉乃小路ニクヨさんをゲストにお招きし、資産形成のため具体的なレクチャーをしていただきます！
オススメの投資方法は「ドル・コスト平均法」
今、株価は底を打ったのでしょうか……。これから少しでも景気が良くなることを信じつつ、金融エリートの女装家、肉乃小路ニクヨさんにご指南いただきます。
ちょっと前に、岸田首相が「新しい資本主義」として預貯金を投資に回すよう促す「資産所得倍増プラン」という計画をぶち上げましたが、いきなり皆が投資しても大丈夫なのでしょうか。誰もが勝てるとは限らず、現に私も投資信託でかなり損していますが、国民の老後の資金が溶けてしまわないか心配です。政府は、金融政策に失敗したから、これからも円の価値は下がりますよ、だから投資したほうがましです、と言いたいのかもしれません……。肉乃小路さんに、首相の投資推しプランについてご意見を伺うと、
「今までのように円預金だけ持っている時代は終わったんじゃないかなって、私も思ってる」
と肯定的なご意見が。
肉乃小路ニクヨ
ニューレディー/コラムニスト/動画クリエイター/ショウガール
慶應義塾大学在学中の1996年より女装を開始する。1999年ドラァグクイーンの全国大会DIVA JAPANにて初代Miss.DIVA JAPANの座に輝きショウガールとして活動。並行して会社員としても勤務。主に銀行と保険会社でキャリアを積む。2015年よりコラムニストとしてWEB MAGAZINEのAMにて連載を開始。2019年よりYahoo!JAPANクリエイターズプログラムとYouTubeにて動画配信を開始。2020年よりwith onlineにて連載「肉乃小路ニクヨのお金の相談所」を開始。セクシャルマイノリティーとしての葛藤で苦しんだ青少年期のルサンチマンとショウガール・ゲイバーのママ・一般企業の会社員の社会人期に鍛えた人間観察力を活かして、恋愛・ライフハック等を語る。
「デフレ状況下では預金の資産価値は保たれますが、インフレになると目減りしてしまいます。それに、貯蓄額の多さが日本経済に停滞をもたらしていると思ったんですね。このデフレ状況は何としても脱却をしなければいけないっていう考えで、そのために投資へお金を流していく、というのは必要だと思っています」
肉乃小路さんは、大きな視点で日本経済を見て、預金よりも投資を勧めます。
「『ドル・コスト平均法』という定期的に投資する方法があります。毎月一定額をちょこちょこ買い続けるんです。『つみたてNISA』や『iDeCo』を利用するのも良いでしょう。高い時はちょっとだけ、安い時は多く買うことで取得単価が平均化されていきます」
早く結果を出したくて大金を投じてしまったため、大敗してしまったのですが……タイミングなんてプロの投資家でもわからないので、毎月少しずつ投資するのが着実かもしれません。
「一気に買わない方がいいですよ、ちょこちょこ買うっていうのが大事なんです」
そのアドバイスを1年前に聞きたかったです……。
「積み立てでリスクを減らしながら投資することで、社会が活性化するなら、その流れは間違いではないと思うんです。お金って回して使っていかないと」
と、投資の政策についてはポジティブな見方の肉乃小路さん。
日本の株は米国株の影響を受けていますが、米国株が去年と比較してかなり下がってしまい心配です。肉乃小路さんは
「今は景気の過熱感を抑えないといけないので、金利を上げて、インフレ退治に集中している。インフレがおさまったらアメリカは潜在成長率がもともと高いし、回復していくんじゃないかなって思ってます。アメリカどえらい国ですよね。あそこの国にお金が集まるのはわかるし、経済成長という点ではイノベーションが常に起こってきている」
と、アメリカのポテンシャルについて希望を持っていました。アメリカの底力を信じ、株価が底を打って上がることを願いたいです。
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