プロジェクトの始まりは4年前。冬の、代官山蔦屋書店のカフェから


確かとても冷える冬の日でした。その頃担当しておりました『with』という女性誌で、新たに神崎さんのエッセイ連載をスタートさせるための打ち合わせ。美容家としてノリに乗っており、ほぼ全ての女性誌に登場、ありとあらゆる世代に向けた連載を持つほどだったなか、当時では唯一の「ご自身による執筆」の連載をお願いしました。華やかな撮影は一切無し。ご本人のお写真も親指の爪ほどのサイズしか載らないこのエッセイのタイトルは、「もう、メイク落としていいですか?」。

 

私たち編集者が、取材の場で神崎さんと話す時に感じるような飾らない雰囲気と、心つかまれる独特の言葉づかいをそのまま伝えたい。その時々の神崎さんが感じとったことを率直な言葉で綴るこのエッセイは、揺れ動く20代の働く女性たちにしっかりと響きました。読者アンケートでも書き込みが特に多い人気連載となり、3年半に亘り続いたのでした。

牛久保雅美さんによる、ファニーなイラストが神崎さんの語り口にぴったりとハマっていました。