厨房の片づけは水と油を片づけること


こんまりさんが理想のキッチンを求めて訪れた飲食店の厨房で見たのは、調理器具がカテゴリー別にキレイに分類されている光景でした。ですがこれはすでに実践していたことだったので「裏技も何もないじゃない……」とガッカリしたそうですが、料理人の動きを見ているうちにあることに気がついたそう。それは「料理人がサッと素早く動く瞬間は、調理器具を取り出すときよりも、調理台や水回りをキレイに拭くとき」だということ。

 

さらに料理長に厨房の片づけの極意を尋ねたところ、「厨房の片づけは水と油を片づけることだよ」と言われたそう。それから多くの飲食店の厨房を見て回りましたが、どの店でも結果は同じでした。そう、理想のキッチンを作る秘訣は「できる限りモノを納めて掃除のしやすい空間を作ること」だったのです。

 


水回りとコンロ近くには極力モノを置かない


掃除のしやすさを考えたときに一番に実践したいのが「水回りとコンロ近くにはモノを置かないこと」。なんとこんまり®︎メソッドの片づけレッスンでは、シンク下かシンク下の収納扉の裏に洗剤やスポンジ専用の収納場所を作り、「洗剤やスポンジを水回りに置かないように」と伝えているそう。

さらにシンクには三角コーナーも置かず、代わりに冷凍庫の一角に生ごみコーナーを作って凍らせてしまうのだとか。これだけでキッチン周りの掃除が容易になることは想像がつきますよね?

ちなみに以前の記事で、片づけを行うときは「①衣類→②本類→③書類→④小物類→⑤思い出品」の順番で、モノ別に行なうのが鉄則とお伝えしましたが、キッチンはそのすべてを終えた段階で取りかかるのがオススメだそう。その理由は、キッチンは思いのほか小物の数が多いため、ときめきの判断力が身についていない初期段階で手をつけてしまうと途方に暮れてしまいかねないから。「まずはキッチンの収納法から教えて欲しい!」という声も寄せられるそうですが、こんまりさんはそうお伝えしています。

今回は、キッチン収納に関する大まかな流れについてご紹介しました。次回はキッチン小物の具体的な収納方法についてお伝えします。

構成・文/井手 朋子

 

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前回記事「​【こんまり®流・片づけ術】「崩れない洋服の畳み方」と「バッグ収納のコツ」教えます」はこちら>>

 


近藤 麻理恵さん

 片づけコンサルタント。5歳から『ESSE』などの主婦雑誌を愛読。中学生のときに本格的に片づけの研究を始め、大学在学中の19歳の時、コンサルティング業務を開始、独自の片づけ法「こんまり®メソッド」を編み出す。2010年に出版した初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国以上で翻訳出版され、シリーズ累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに。「KONDO」という言葉がアメリカでは「片づける」という意味として使われるようになるなど、社会現象となる。2015年、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出され、活躍の場を海外に広げている。2019年よりNetflixにてスタートした冠番組『KonMari—人生がときめく片づけの魔法—』が190カ国で放映され、エミー賞2部門にノミネート。2021年に公開された新シリーズ『KonMari〜“もっと“人生がときめく片づけの魔法〜』はエミー賞を受賞<デイタイム・エミー賞>。現在は、こんまり®メソッドを使った片づけレッスンを提供する「こんまり®流片づけコンサルタント」を育成し、日本を含め世界60カ国以上で約850名が活躍中。

 
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