これは、推し活に限らないかもしれません。仕事が充実していていいな、家族仲良くていいな、恋愛が充実していていいな。「自分にはないものを持っている」人を見ると、ついつい無いものねだりしてしまうのは、多くの人が経験あることなのでは。

でも、時間もエネルギーも有限です。育児・仕事・趣味・恋愛……、何に注力するかは人それぞれ。推しのいるお友だちからすれば、ルミさんはお子さん二人を育てる充実したお母さんに見えるのではないでしょうか。

のめりこめる程好きな対象がいるって素敵なことですが、それが無いから素敵じゃないということではないですよね。「あの人は〇〇、でも私は……」となんでも比較して考えすぎると、きっと息苦しくなってしまいます。「楽しそうでいいね~」「あなたの推しのこともっと教えて~」と力を抜いて向き合う方が、精神衛生上よいと思います。

 

好きに貴賤はない! 興味をもったら気軽に飛び込んでみませんか

「趣味は?推しは?」がプレッシャー...自分の「好き」が分からないと後ろめたい?_img0
 

「実は、娘が観ているYouTubeはちょっと気になっているんです。」

さて、気になったのはルミさんのこの一言。あら! ルミさん、興味の芽が……?

世に出回っている「推し活」情報を見ていると、世代や性別の垣根無しに、いろいろな人がいろいろな対象を「好き!」と推しているのがよくわかります。「アラフォーなのにアイドルが好きだなんて」「孫もいるのに韓国ドラマにときめくなんて」「男性なのにBLが好きだなんて」そんな心のハードルは、気持ちはわかるけれどもったいない。自分の好きが分からないときって、そういうバイアスやハードルが知らず知らず邪魔しているのではないでしょうか。

もちろん、クラシック音楽だって歌舞伎だって、好きになったら素敵な趣味です。でも、「歌舞伎が趣味って言うとなんとなく格好良いから」という理由だけでは、なかなかハマれないのではないでしょうか。

若い人のファンが多いジャンルにハマってはいけないなんてルールはありません。好きに貴賤は無いのだと思います。娘さんと同じ推しを持ったら、家族のコミュニケーションも増えそうですよね。「同じものが好き」って、ものすごく強い絆なんですよね。

推しがいないことに後ろめたさを感じる必要はなし。そうすれば他人の推しトークも平常心で聞けるでしょうし、そのことがあなたの好奇心を刺激することもあるかもしれません。自分の中に興味の芽を見つけたら、気軽に飛びついてみませんか。
 

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文/梅津奏
構成/山本理沙

「趣味は?推しは?」がプレッシャー...自分の「好き」が分からないと後ろめたい?_img1
 

前回記事「MTGにASAPにTBD...意味が分からないの私だけ?飛び交う略語にモヤモヤします」はこちら>>

 
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