今振り返ると「いやいや、おかしいよー!」と思う頓珍漢ぶりなのですが、それを是正するきっかけとなったのが、フランスでの倹約生活体験なのです(ありがとう、フランス!)。
例えば、この国ではエルメスのバッグを持って歩いている人なんてあまり見かけません。え〜、フランスが誇る高級ブランドなのに〜! という感じですが、そういうバッグを持っていらっしゃる方はお車移動されているみたい。一度、メトロの席の向かいに座った親子が二人でケリーを持っているのを見て、この人たちは大丈夫だろうか? スリに合わないのか? とこちらが心配になったほどです。パリコレの時期でこそ着飾った人々を見ますが、それはファッション業界な人と外国人がメイン。一般的な生活をしている人は、ブランドのものなんてそんなに買わないんです。
服やバッグだけでなく、パソコンや携帯なども、日本だと新製品が出るたびに話題となりますよね。私もiPhoneは最新機種にするようにしていましたが、こちらだと画面がバリバリに割れていたり、「それは一体いつのもの?」というぐらい古くても、皆平気で使っている。使えればいいじゃん、何で新しくする必要あるの? みたいな。
レストランも高いので、友達同士だとカフェでアペロ(ワインとおつまみ)を楽しむことはあっても食事はあまりしません(お酒が一番無駄なのでは? という気もするけれど、そこはワイン大国、あまり気にならないらしい)。ごはんを食べるとなると、自宅に招いたり、持ち寄りピクニックをしたり。ピクニックだって、その辺のピザ屋で買ってきたものとワインなんて感じの、気負いゼロメニューなことがほとんどです。
この国の人たちのそんな気取らなさを目の当たりにするたびに、眼から鱗がポロポロ落ちまくりました。いいんだそれで、と。そもそもブランドの服とバッグで着飾って、私は誰に何をアピールしたかったのでしょう。自分が心地よく、身の丈に合った生活をできるならば、どんな格好でもどんなものを持っても良い。そんな単純なことを、他国で40歳過ぎてやっと学ぶ私って……。
しかし、あのままだったら冗談抜きに破産してたかもなと思うと、危なかった〜! そのことを思い返すたび、 もうフランスには足を向けて寝れないわ〜、と思ってしまうのです(ま、フランスで寝起きしてはいるんですけどネ)。
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