恋愛ドラマの当て馬キャラって、どうしてこんなに魅力的なんだろう。想いが報われないという儚さが、美しさを引き立てているのでしょうか。現在放送中のドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)でも、杉野遥亮さん演じる須崎功が、“最強当て馬”だと話題を集めています。

ちなみに、ドラマにおける当て馬とは、ヒロインとは結ばれない二番手キャラのこと。作品にもよりますが、一番手キャラよりも、ヒロインを想う気持ちが強かったりするのが苦しい。「私だったら、絶対こっち選ぶのに〜!」と思った経験がある人も多いのでは? 筆者も、基本的に“選ばれなかった方”が好きなので、お気持ち分かります。

『ユニコーンに乗って』の功も、そりゃあもう、めちゃくちゃいい男なんですよ。大学時代から、ヒロイン・佐奈(永野芽郁)を一途に想い続けていて、彼女のためなら自分を犠牲にすることだってできる。筆者が佐奈の友人だったら、「こんないい男、いないぞ!」と発破をかけていると思います。

 

けれど、功は当て馬の王道を突き進んでいるんですよね。佐奈のために行動すればするほど、本命からは離れていってしまう。ヒロインと結ばれる本命キャラって、いつも優しいわけではない。ピンポイントで、大事なところを抑えていく。有能すぎる整体師のように、ヒロインの心の“コリ”をほぐしていくんです。

『ユニコーンに乗って』で、佐奈のお相手候補(?)と言われているおじさんサラリーマン・小鳥(西島秀俊)。正直、佐奈のなかに小鳥への恋心が芽生えるとは思っていませんでした。でも、彼の行動って本命キャラの典型なんですよね。

①ヒロインのピンチに、当て馬よりも早く駆けつける


第4話、佐奈が投資家からセクハラに遭いそうになった時に、小鳥はすぐに駆けつけました。そして、間に合ってしまうんですよ! タクシーに引きずり込まれそうになっている佐奈を見つけて、腕をギュッとつかむ。その一方、全力で走ったのに、間に合わなかった功(涙)。