『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系/以下、『石子と羽男』)、めちゃくちゃ面白くないですか? 筆者は、いまどハマりしています。

本作は、4回司法試験に落ちた東大卒のパラリーガル・石子(有村架純)と、司法試験に一発合格した高卒の弁護士・羽男(中村倫也)が、誰にでも起こりうる珍トラブルに挑んでいくリーガル・エンターテインメント。「カフェで充電してたら訴えられた!」などどんな些細な問題に対しても、真摯に向き合う2人の姿が魅力的!

しかも、『アンナチュラル』、『MIU404』、『最愛』(すべて、TBS系)を手がけてきた“黄金コンビ”、新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督がタッグを組んでいるんです。これは、面白くならないはずがない! と放送開始前からワクワクしていました。

ドラマファンからの大きすぎる期待を裏切らず、“安定”の面白さを提供してくれる『石子と羽男』。本稿では、ドラマの魅力を徹底分析していきます!

 


石子と羽男のコミカルな掛け合い 本作ならではのテンポ感!


まず、最も惹きつけられるのが、石子と羽男のテンポのいい掛け合い。わりとシリアスな題材を扱う回もあるのですが、2人のコミカルさがホッとできる部分になってくれているというか。こういう関係って、いいよなぁ……と思わせてくれるんです。ベタベタはしていないけど、お互いにちゃんと想い合っている。その愛が、恋に振りすぎていないのも、安易ではない感じがして好きです。

また、物語のスピード感もちょうどいいんですよね。1話完結のドラマって、結末を引っ張ることが多い。けれど、『石子と羽男』は中盤あたりで、わりとあっさり解決してしまいます。それも、短い時間のなかで、二転三転させてしまうのだから、脚本家の西田征史さん(2016年放送の朝ドラ『とと姉ちゃん』や、映画『響-HIBIKI-』などの脚本も執筆)の力量がすごい! 毎話、「これ、どうなるの……?」「そうきたかー!」と楽しませていただいております。

スマホをいじり“ながら”とか、ゲームをし“ながら”とか、ドラマを“ながら観”する人が増えている現代。リフレッシュのためにエンタメを楽しんでいるはずなのに、つい“現実”が頭から離れなかったりしますよね。だからこそ、『石子と羽男』のように、飽きる瞬間がないドラマはオススメ! 作品の世界観に没頭できるから、明日のことを忘れて本気で楽しむことができます。