「高い声より低い声」。耳の遠い人にも伝わる話し方の意外なコツ4【医師が実践】_img0
 

耳の遠くなったご家族とのコミュニケーションに悩まれる方も、多いのではないでしょうか。思うように意思疎通のできないいらだちから、つい大声を出してしまう……という方もいらっしゃるかもしれません。

米国老年医学の専門医が、耳の聞こえづらい方を診察する場合、どのような工夫を心がけているのでしょうか。ご家庭でも使える話し方のポイントをまとめました。

 


大声で繰り返し伝える、はNG


私はイベントなどで、「耳や目のメンテナンスの重要性」について話をすることが多くあります。情報は、目で見たり、耳で聞いてインプットしてから考えますよね。つまり、耳の衰えは、同時に脳の認知機能が衰えるリスクにもなり得るのです。耳の機能は加齢とともに衰えることがよく知られていますので、きちんとメンテナンスをすることが非常に大切です。

そして、病気ではなく、加齢とともに起こる聞こえにくさには、一連のパターンがあります。主に「高い音」が聞き取りにくくなるのです。逆に言えば、「低い音」の聞こえは維持されることが多いので、高い声よりは低めの声を使えば届きやすい、ということがよくわかっています。

よく街中や診察室などで、難聴をお持ちのご家族に話しかけている方の様子を見かけることがあります。そんな時、叫び声に近いような大声を出したり、伝わらないことにストレスを感じて怒った様子で繰り返し話す、というシーンに遭遇することもあります。

ですが、そのような接し方ではコミュニケーションが悪化してしまいますよね。ぜひ正しい方法を知っていただき、できるだけ円滑にコミュニケーションをとっていただきたいと思います。

 
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