エリザベス女王27歳:英連邦の長としての役目と、クリスマススピーチ宣誓

1953年12月25日 ニュージーランド、オークランドにある総督公邸にて、クリスマスメッセージを。写真:TopFoto/アフロ

生前のエリザベス女王といえば、英国の君主であるだけではなく、共和制が存続する14ヵ国を含め、50か国以上の英連邦加盟国の元首でもありました。
戴冠式の同年に行われた海外ツアーでは、ニュージーランドを訪問され、初めてのクリスマススピーチが行われました。これ以降昨年まで、毎年クリスマスの日(25日)15時から、国民に向けお言葉が述べられ続けました。家族揃って、TVの前で“国民の母:エリザベス女王”からのメッセージに耳を傾けるのが、国民にとってのクリスマスの定番なのです。

 

エリザベス女王41歳:女王にとって、ファッションとは?

1967年、マルタ島にて。写真:REX/アフロ

生前、存在自体がアイコンであったエリザベス女王ですが、もちろんファッションにも注目が集まりました。では女王にとってファッションとは一体何だったのか? というと、まずは外交手段の一つであること。そしてもう一つは、国民のために装うもの、でした。

前者は、その日の訪問先や公務内容に合わせて、色やデザインを選んだり、特に海外ツアーでは、訪問国にゆかりのある洋服はもちろん、ブローチなどジュエリーに至るまで配慮がなされます。“言葉なくしてファッションが語る”、と言わんばかりに。

また、もう一つは、女王を一目見ようと集まった国民の気持ちを汲み、女王の存在が見つけやすいように、鮮かなカラーのお洋服やお帽子を着用。しかもお帽子は大きかったり、高さもあるので、より見えやすいように考えられています。

この画像は、60年代後半の女王のファッションですが、当時のトレンドも取り入れた、綺麗な色の洋服にお帽子もデザイン性のあるものを合わされ、とてもスタイリッシュでした。超キュートですよね。そしてお若い!
 

エリザベス女王46歳:家族の絆

1972年11月20日 バッキンガムパレスにて。結婚25周年を記念しご一家揃って記念撮影。写真:AP/アフロ

国民のために、全ての人生を捧げられたエリザベス女王。常に公務第一で、なかなかご家族との時間はというと少なかったことは事実ですが、しかし家族との絆をとても大切にお考えだった女王は、きちんと家族の時間を定期的に作られていました。

英国にとって家族の日であるクリスマスには、近親のご家族と過ごされ、またその直前には、より多くのロイヤルファミリーが集まってのランチ会を。また、女王の夏休暇中には、入れ替わり立ち替わり、ご家族が集まり、同じ時を過ごされていました。

今年も8月最後の週にはウィリアム皇太子とキャサリン妃がご一家揃って、女王とお過ごしになりました。これが最後となってしまったことは残念ですが、ご一緒に過ごされた時間は忘れ難い想い出となることでしょう。孫8人、ひ孫12人に恵まれたエリザベス女王でした。