エリザベス女王93歳:オンリーワンのファッションアイコン

2019年5月18日、ウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われた、レディ・ガブリエラ・ウィンザーの結婚式に出席

偉大な人には決まったスタイルがある。エリザベス女王もそのお一人。
70年という長き在位期間の中では、ファッションの変遷もあれど、2000年以降、女王の存在と地位が揺るがないものになったと同時に、決まったスタイルが確立されました。

それこそが今皆さんが、“エリザベス女王”と聞けば浮かぶスタイルです。これがその代表と言えるファッション。鮮やかな色のシンプルデザインのコートに、お帽子も同色。中には、コートの色も含む、花柄プリントのドレスをお召しに。

このビビッドなカラーコーデが、絶妙かつ、かなり高度なのですが、いつも女王はさらりと着こなされていて、これこそが強さの象徴と言えるでしょう。

さらに興味深いのは、靴とバッグ。色は黒で、それぞれ常に同ブランドの、似たデザインを合わされていること。いかに洋服が華やかであろうとも、ベースとなる小物は変えず。ここに、女王の揺るぎない安定性や、軸が感じられます。

このスタイルがもう拝見できない寂しさを実感です。

 

エリザベス女王96歳:死去2日前。最後のご公務

2022年9月6日、スコットランド、バルモラル城にて。新英国首相リズ・トラス氏を任命。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

まだ実感がわかない気さえしてしまうほど、最後にエリザベス女王のお姿を拝見したのが、先週です。
英国にとって大きな節目となり、女王にとって重要なお役目であった、英国新首相の任命。
チャーチル元首相に始まり、歴代15人ものトップたちを任命されてきただけでなく、毎週行われていたオフレコの謁見では、首相たちが心の内を唯一出せる場とさえ言われていたほど。国を率いる首相たちにとっても、心の母であった女王です。
そんな国の重要公務をやり終えて、永遠の眠りにつかれた女王に、最後まで国のために尽くされてきたその精神を見た気がしました。

今年のハイライトであった、プラチナジュビリーを大成功で締めくくり、そしてこの任命式。
さらに私が感動したのは、ハリー王子が英国滞在中でエリザベス女王の死去に立ち会うことができたこと。恐らく唯一気がかりであろう、孫兄弟ウィリアム皇太子とハリー王子が向き合える機会を作って、去られたと思わずにいられません。

死去の直後には、あたかも国民への贈り物かのごとく、バッキンガムパレスやウィンザーに美しい虹が表れました。最後まで国民を思っていらした女王からの贈り物のようでした。

エリザベス女王、どうぞ安らかにお眠りください。
そしてフィリップ殿下と再会され、再びお幸せな時間をお過ごしになることを祈っております。
 


構成/高橋香奈子

 

 


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