白い食べ物より茶色の食べ物がいい?

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写真:shutterstock

白米、小麦粉などの精製されている白い食べ物に比べ、精製されていない玄米、全粒粉などの茶色の食べ物のほうが、一般的にGI値(グリセミックインデックス。血糖値の上昇具合を指標化したもの)が低く、食後血糖値の上昇がゆるやかなことがわかっています。

プロゲステロンが上昇する生理前は、インスリンの効きが悪くなっているため、血糖値の乱高下が起こりやすいもの。血糖値のアップダウンが気になる人は、白米より玄米、小麦粉のパンより全粒粉のパン、うどんよりそばを選ぶのがいいかもしれません。

精製されてない食品のメリットはほかにもあります。食物繊維を多く含むため食感が硬めで、消化のためにはよくかむ必要があること。よくかむようなリズミカルな動作はストレスをやわらげるセロトニンという脳内物質を産生します。

ただし、食物繊維が多く、消化器に負担がかかるため、胃腸が弱い人にとっては、精製されていない食品のほうが体に優しい、とは言いがたいです。体のために無理して食べるのではなく、「食べていておなかの調子がいい」「味や食感が好き」というスタンスで選ぶのがよいのではないでしょうか。
 

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<point>
● 未精製の食品のほうが血糖値は上がりにくい
● 茶色の未精製食品は食物繊維が多く、消化に負担がかかることも
● よくかむことにつながるので得られるメリットはあり!

 

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毎日の食事など生活習慣が乱れると、あらゆる生理機能が影響を受けて、体調を崩します。また、よかれと思っていた健康法が逆効果の場合も。女性ホルモンをいい状態に保つためにも食と生活の習慣を見直してみましょう。

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高尾 美穂
イーク表参道副院長。産婦人科医。医学博士。婦人科スポーツドクター。ヨガ指導者。働く女性の産業医。婦人科の診療を通して女性の健康をサポートし、 女性のライフステージ・ライフスタイルに合った治療法を提示し、選択をサポート。アプリstand.fmで毎日更新される番組『高尾美穂からのリアルボイス』では、体や心の悩みから人生相談までリスナーの多様な悩みに回答。著書に『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』(世界文化社)『更年期前後がラクになる! おうちヨガ入門』(宝島社)などがある。最新刊は『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)。

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『【女性ホルモンにいいこと大全】 オトナ女子をラクにする心とからだの本』
著者:高尾美穂 扶桑社 1540円(税込)

毎日頑張っているけれど、頭痛に生理痛、肌荒れやイライラ、不眠に妊活疲れなど、気づいたらなんだか調子がいまいち。輝く女性たちを翳らせるそんな不調のお悩みの原因と解決策を、高尾先生が優しく教えてくれます。すぐとなりで診察してくれているかのような、ほっとする気持ちをくれる温かな一冊。



イラスト/鈴木衣津子
構成/金澤英恵
 

 

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