片づけを行う時に“ときめくかどうか”の基準で残すモノを決める「こんまり®︎メソッド」を編み出し、片づけによって人生が変わることを伝え続けているこんまりこと近藤麻理恵さん。こんまり®︎流片づけのコツを伝授するWEBマガジン「片づけの学校」では、人生を上向きにする片づけ方法があらゆる角度から紹介されています。本連載【こんまり®流・片づけ術】ではその内容を抜粋してお届けしていますが、今回はこんまりさんが考える「片づけによって手に入れる理想の働き方」について紹介します。
目次
・デスクの片づけでワークスタイルが好転?
・仕事場を片づけたこんまりさんに訪れた転機
・重要なのは「散らかっているか」「片づいているか」じゃない
デスクの片づけでワークスタイルが好転?
こんまりさんは大学在学中から片づけコンサルタントとして活動してきましたが、その中で「ときめく働き方についても教えて欲しい」というリクエストを数多くいただくようになりました。ご自身のメソッドが、理想の働き方を実現することにも効果的だと気づき、経営者の方向けに「オフィスの片づけレッスン」をしていた時期もあったというこんまりさん。
実は会社員として働いていた頃からデスクの片づけを頼まれることが多く、その結果、生産性が上がって業績が伸びたり、早く帰れるようになったりと、ワークスタイルが好転していく上司や同僚の様子を目の当たりにしていました。そんなこんまりさんですが、新卒時代は片づけに気が回らない時期もあったのだとか。
大学卒業後、人材紹介会社に入社して法人営業部で働いていたこんまりさん。当時は休む間もなく仕事に追われていましたが、営業成績は同期15人中たいてい下から3番以内。思うように結果が出せず、悩まされていました。そんなある日、疲れ切った状態で目の前を見渡すと、散らかり放題になっている自分のデスクに気がついたのです。
「学生時代から片づけコンサルタントの仕事をしていたと思えないほどの有様……。こんな机じゃ成績も上がらないわけだ」と我に返った彼女は、それまでの知識と経験を総動員して見違えるほどの環境に整えました。そしてその日を境に、少しずつ仕事の状況が変わっていったのです。
仕事場を片づけたこんまりさんに訪れた転機
片づいたデスクで仕事をすると気分がいいし、必要な資料もすぐに見つかる。次にやるべきタスクにもサッと手をつけられるようになり、そのうち少しずつ仕事にもときめきを感じられるようになりました。
それまでの経験から、家の中を片づけると人生にいい影響があるということはわかっていましたが、今度は「仕事場を片づけることで、もっと仕事が楽しく、働くことが好きになるかもしれない」と直感したそうです。
仕事場が散らかっていると、気が散る、ストレスを感じる、不安が募る、お金も減るなど、まるで不幸のデパート。そうこんまりさんは話します。アメリカで働く成人1000人を対象にした調査では、散らかっていることで不安感が増し、意欲や幸福感の低下を感じるということがわかっています。また、UCLAの科学者によると、散らかった状態になるとストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌量が増え、精神的にも健康にも悪影響を及ぼすという研究結果も。
さらに散らかったワークスペースは、個人だけでなく企業にも影響を与えています。アメリカでは、4年間のうち1ヶ月間をモノを探すために費やし、それによる生産性の低下を金額に換算すると、毎年なんと約9兆円相当。これは世界の5大企業の合計利益をさらに倍にした金額です。
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