重要なのは「散らかっているか」「片づいているか」じゃない

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写真:shutterstock

職場での評価に関するいくつかの研究によると、仕事空間が片づいている人ほど「勤勉」「知的」「野心的」「温かい」「落ち着いている」「自信がある」「友好的」「努力家」「優しい」というイメージで見られやすいと言われています。

 

どれも肯定的なワードで、片づけをして損することは1つもなさそうですよね。職場が片づいていると周りからの評価がアップし、「周囲の期待を感じてセルフイメージが高まり、やる気がアップ」→「仕事を頑張れて業績もアップ」という嬉しい循環が生まれるのです。実際こんまりさんの仕事場の片づけレッスンを受けた方々からは、「仕事に自信が持てるようになった」「働くことが好きになった」という声が届いています。

ですが「整ったワークスペースが、必ずしもすべての人にとってベストというわけではありません」とこんまりさんは言います。

相対性理論を提唱したことで知られるアインシュタインの机の上は、いつも書類やノートに覆われていたと言われています。数多くの名画を残したピカソも大量の作品に埋もれながら制作活動をし、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズもあえて部屋を片づけないままにしていたのだとか。これは本人たちが望んでそうしていたのかはわかりませんが、もしそんな天才たちのエピソードを知った上で「やっぱりキレイなワークスペースは必要ないのでは?」と思った方は、以下の4つの質問に答えてみてください。

① 今ここで仕事をすることに前向きな気持ちになれていますか?
② この机で仕事をすることにときめいていますか?
③ クリエイティビティが100%発揮されていると感じますか?
④ 明日もそのデスクで働きたいと思いますか?

もし1つでも違うと思ったり、モヤっとした気持ちになるのであれば、「片づけを試してみる価値は大いにあります」とこんまりさんは言います。

重要なのは、「散らかっているか」「片づいているか」ではありません。ポイントは「ときめく空間で仕事ができているのか」です。モノが少なくなれば無駄はなくなりますし、効率が上がるのは容易に想像できますが、あくまでも「自分がときめく空間を作ること」を念頭に、ワークスペースを整えてみてはいかがでしょうか。
 

構成・文/井手 朋子

 

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前回記事「【こんまり®流・片づけ術】「片づけられない家族にイライラ」そんなときの対処法とは?」はこちら>>

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近藤 麻理恵さん

 片づけコンサルタント。5歳から『ESSE』などの主婦雑誌を愛読。中学生のときに本格的に片づけの研究を始め、大学在学中の19歳の時、コンサルティング業務を開始、独自の片づけ法「こんまり®メソッド」を編み出す。2010年に出版した初めての著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国以上で翻訳出版され、シリーズ累計1300万部を超える世界的大ベストセラーに。「KONDO」という言葉がアメリカでは「片づける」という意味として使われるようになるなど、社会現象となる。2015年、米『TIME』誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選出され、活躍の場を海外に広げている。2019年よりNetflixにてスタートした冠番組『KonMari—人生がときめく片づけの魔法—』が190カ国で放映され、エミー賞2部門にノミネート。2021年に公開された新シリーズ『KonMari〜“もっと“人生がときめく片づけの魔法〜』はエミー賞を受賞<デイタイム・エミー賞>。現在は、こんまり®メソッドを使った片づけレッスンを提供する「こんまり®流片づけコンサルタント」を育成し、日本を含め世界60カ国以上で約850名が活躍中。

 
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