片づけを行う時に“ときめくかどうか”の基準で残すモノを決める「こんまり®︎メソッド」を編み出し、片づけによって人生が変わることを伝え続けているこんまりこと近藤麻理恵さん。こんまり®︎流片づけのコツを伝授するWEBマガジン「片づけの学校」では、人生を上向きにする片づけ方法があらゆる角度から紹介されています。本連載【こんまり®流・片づけ術】ではその内容を抜粋してお届けしていますが、今回は「こんまり®流オフィスの片づけ方」を紹介します。

【こんまり®流・片づけ術】思考を整理して仕事の効率をあげる「オフィスの片づけ法」とは?_img0
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目次
・本を整理することで見えてくる価値観

・書類は全捨てを前提に分別していく

・小物類はカテゴリー分けして整理整頓

・収納は箱を使って立てられるモノは立てること

 


本を整理することで見えてくる価値観


前回の記事では、「片づけによって手に入れる理想の働き方」について紹介しました。自分がときめく空間を作ることを念頭に、ワークスペースを整えるのがベストとお伝えしましたが、今回は「じゃあ実際どう片づければいいの?」「その先には何が待っているの?」というお話です。

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写真:shutterstock

コロナの影響でリモートワークになったことも後押しし、オフィスの固定席が廃止され、好きな席で働くフリーアドレスを導入する企業も増えてきた昨今。もはやオフィスを片づけるという概念はなくなりつつあるのかもしれませんが、今回紹介する片づけ術は自宅でも応用できることばかりです。

会社には大量の資料があったり、場合によっては本を置いている方もいるでしょう。これらを片づけることで、仕事が効率良く回ることはもちろん、「自分の価値観や思考を整理することにもつながる」とこんまりさんは言います。

たとえばオフィスでも自宅でも、本好きならついついやりがちな積読(つんどく)。手に入れた書籍を読むことなく積んだままにしている状態のことですが、こんまりさんが以前ある会社役員のワークスペースを片づけた際、こんなことがありました。

その方の本棚にはかなりの数の本が並んでいましたが、そのほとんどがこれまで一度も読んだことがないいわゆる積読本。その数なんと50冊以上だったとか。「次の休暇にできる限り読む」と一度はおっしゃったそうですが、そのうち義務感で読み進めていることに気がつき、オフィスには厳選した15冊の本のみを残すことにしたそうです。

そんな状態に陥ってしまったら、所有しているすべての本を取り出して、1箇所に集めてみましょう。その上で以下のように問いかけてみてください。

「この本を買ったのはいつ?」
「何回くらい読み返した?これからも読み返したいと思う?」
「自分にとってこの本の役割は?」
「今、本屋でこの本を見かけたら買いたいと思う?」

その答え次第で「今自分に必要な旬な本」が自然と選ばれていきます。それはつまり、片づけを進めるうちに「今の自分自身の考え」があぶり出されるということ。積読を整理しているだけで、「モノを片づける」とは別のことを得ることができるのです。
 

書類は全捨てを前提に分別していく

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写真:shutterstock

電子化が進み、昔に比べて溜まることが少なくなった書類たち。それでもやっぱりすべての紙がなくなることはありません。少しずつデスクを侵食していく厄介な書類の片づけは、こんまり®流では「全捨て」が基本。もちろん進行中のプロジェクトの書類を捨てる必要はありません。「すべて捨てる」という前提で、本当に必要な書類を選んでいくのです。

先ほど紹介した本の片づけと同じように、書類もすべて1箇所に集め、1つずつ内容を確認していきます。この時同時に、残す書類を3つに分類していきましょう。

① 未処理の書類:未払いの請求書や目を通さなければいけない企画書など、なんらかのアクションが必要な書類。これらはスタンド型の書類ボックスなどで「未処理ボックス」を作り、処理が終わるまで1つにまとめておいてください。分散させてしまうと、未処理の書類がどれだけあるのかが分かりづらくなってしまいます。

② 保存義務のある書類:記録や明細、契約書類など。これらはカテゴリーごとに分け、書類キャビネットや書類ファイルに入れて収納しましょう。原本が必要ない場合は、スキャンするという手もあります。

③ その他の保存したい書類:参考書類としてとっておきたいものやときめく書類など。「なんとなくとっておこう」ではなく、強い意思のもとで選び、定期的に必要か否かを見直してみてください。

書類はモノと違って「もったいない」という気持ちになりにくく、捨てやすいジャンルのモノかもしれません。それでもなかなか選び切れないという方は、以下のように問いかけるのが効果的です。

「どんな場面で必要になる?」
「この書類はいつ頃から持っている?どのくらいの頻度で見返した?」
「同じ内容をインターネットでも見られない?」
「パソコンの中にデータで保存されていない?」
「この書類がないとのぐらい困る?」

 
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