結婚後、「残高2万円」が発覚した年下の夫
「色々と悩んでようやく結婚を決めたのに、そのタイミングであんなことが起きて、元夫はモヤモヤした気持ちを抱えながら先に1人で渡航することになりました。慣れない海外生活のストレスもあったと思いますが、このとき物凄い頻度の連絡が来るようになったんです。
平日の昼間、仕事中に1時間ほどスマホから目を離しただけで、LINEや着信が無数に残っていて。『既読にならないってことは、今男と会ってるんだろ』『誰といるのか、今すぐ写真を送れ』『返信できないならLINEを同期しろ』『お前は信用できない』とか……」
アプリの男性の件について、早苗さんは潔白ではありますが、新婚の彼に嫌な思いをさせた罪悪感はあったそう。トラウマが残ってしまったのか、日に日に神経質になる元ご主人を安心させるため、早苗さんはなるべく丁寧に対応していたそう。
そんな中、ご主人がある発言をしました。
「突然、100万円貸してと言われたんです。理由は、赴任のタイミングで給料の振込がずれて、引越しの費用もかかったせいでカードの引落としのお金が足りないからと……じゃあ今いくら持っているの? と聞いたら『今の残高は2万しかない』と言われて驚きました」
元ご主人は20代後半で、さらに一般的には高給と言われる職業。早苗さんも色々と思うことはありましたが、日々不安定な彼を可哀想と思う気持ちが勝り、100万円を振りこんであげました。彼はお金はすぐに返すと言ったそうです。
そんな状態でも早苗さんは彼に帯同すべく、住んでいるマンションを引き払ったり渡航準備を進めていました。しかしなんと、元ご主人が仕事の都合で1ヵ月で帰国することになったのです。
「彼の海外赴任が決まってからトラブル続きだったので、『こんなに早く帰国するならわざわざ急いで結婚する必要はなかった……』とお互いに思っていたはずです。私も渡航準備には色々と費用も労力もかかったので、だんだん疲れていきました」
その間も、彼の束縛癖は変わらず。
元ご主人は帰国して再会を果たした早々にLINEをチェックし、早苗さんの学生時代の同級生の男友達とのトークを見つけると激昂したそうです。
「『こいつと何かあるんだろ。LINEを遡って全部見せろ』と言われました。でも、もう15年以上の付き合いのある友人です。本当に何もないのでしばらくトーク画面をスクロールし、2、3年分見せて『もういいでしょ?』と言っても納得せず、結局10年分のLINE履歴を血眼でチェックしていた彼には本当に引いてしまって……」
これまで、おそらく彼が年下ということもあり、寛大に接していた早苗さん。
しかし帰国後、束縛癖のある彼と24時間一緒にいると考えたとき、これまでの疲れがどっと押し寄せてしまったと言います。
「もう離婚したい、こんなずっと監視されるような生活は無理。と、つい感情的に言ってしまったんです」
後から思えば、早苗さんはこのとき安易に「離婚」という言葉は口にすべきではなかったと言います。
たしかに、紙切れ一枚とはいえ重みがあるのが結婚。不運なトラブルが重なりストレスを溜めていたとはいえ、入籍から1ヵ月で「離婚」と口にしてしまったのは正しい解決策ではなかったのかもしれません。
借金についても気になりますが、たとえ夫婦であっても、金銭の貸し借りは気をつけなければなりません。少なくとも理由や用途を明確にし、貸す側が納得できることが重要。借金をすると、お金の問題だけではなく、そこには感情も連動して人間関係が乱れやすくなります。
そしてこの後、夫妻の形勢はなぜか逆転。これだけ早苗さんに執着した元ご主人が不倫に走るのです......。後編では、そのお話を伺います。
取材・構成・文/山本理沙
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