どう呼べばいいのかわからないから、大人になってもなお「恥ずかしいもの」「卑猥なもの」だと感じてしまう――。自分の体の一部である「女性器」に対して、そんなイメージを拭い去れない方もいるかもしれません。産婦人科医の髙橋怜奈さんが監修した『産婦人科医が教える みんなのアソコ』では、次のように語りかけます。
「(女性器は)秘部、陰部といわれることもあります。『秘』とは、人に見せたり知らせたりしてはならないこと。『陰』とは、人目につかないこと、表面に現れない部分。表立って話してはいけない雰囲気に満ち満ちています。
オープンに語られることがないということは、人と比べることがないということでもあります。何が正解なのか、そもそも正解があるのかがわからない。それだけに『自分のはヘンだ』と悩んでいる人も、いるはずです」
そう言われてみると、なんだかすごく心当たりがある筆者です。もう40代なのに、いまだに自分のアソコが“普通かどうか”なんてわかりません。そこで今回は、病気などではないけれど「これって自分だけ?」と気になっている人もいるであろう女性器=アソコのQ&Aについて、本書から特別にご紹介。自分だけのアソコを愛するためのヒントが得られるはずです。
髙橋先生が回答!「アソコ」のお悩み一問一答
性器、それから性に関する悩みは、どこで相談すればいいのでしょうか? 友人や家族には話しにくいと感じる人は多そうです。また、相手が答えられるともかぎりません。多くの人は知る機会がないまま、大人になっています。
距離感がある人のほうが話しやすい、そして女性の身体について専門的知識をもった人のほうが具体的な解決策を提示してくれる可能性が高そう……と考えると、答えは「婦人科」です。
婦人科は妊娠出産だけでなく、生理、ニキビ、そして性器やセックスの悩みまでいろんな悩みを相談していいところ。婦人科医は女性の身体のエキスパートです。ここでは「婦人科でこんなこと相談していいのかな?」と思われがちな悩みを、一問一答にしました。より詳しく知りたい場合は、お近くの婦人科へ。
【形や色のお悩み】
Q 彼から「アソコがへん」といわれた。どうすれば?
A みんな個性的。ヘンな性器なんてナイ!
性器の形や色はどれひとつとって同じものがなく、違っていて当たり前。それが個性です。「恋人からヘンといわれた」という悩みも聞きますが、産婦人科医は日々おびただしい数の性器を見ており、そのうえで「ヘン」な性器はないと断言できます。誰かと比べて違うという意味なのかもしれませんが、顔でも体型でも性器でも、容姿を人と比べること自体が失礼な行為です。いわれた側は傷つくだけ、ということが広く知られてほしいです。
Q アソコの黒ずみ、遊んでいるって思われそうで心配
A ホルモンの影響で黒ずむのが自然です
黒ずみを気にする女性はとても多いです。女性ホルモンの増加によりメラニン色素が増えるため、個人差はありますが性器周辺の色がほかと比べて色濃くなります。性経験はまったく無関係で、「大人の女性なら当たり前」なのです。また、摩擦や締め付けによって色素が濃くなることもわかっています。きつすぎる下着やボトムスを着けない、お風呂上がりにタオルでごしごしこすらないなど気をつけることが、さらなる色素沈着の予防につながります。
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