見えにくい場所にある。だから「普通」がわからない

自転車に乗るとアソコが痛い、トイレでおしっこが飛び散る...「自分のアソコはヘン?」の疑問に産婦人科医が回答_img0
 

女性のアソコは「ミステリアス」と表現されることがよくあります。日本語でいうなら、神秘的、または不可解。たしかに「私のアソコはこんな形をしていて、こんな色で、こんな働きをしているんです!」とハキハキ説明できる女性は多くありません。大人の女性でもそうです。「自分のアソコを見たことがない」という人が多く、「汚いからあまりさわらないようにしている」という声もよく聞きます。

アソコが具体的にどこを示すのかは定かではありません。ショーツで覆われているところ全体を指していう人もいれば、腟口やクリトリスといったピンポイントな場所を示したい人もいるでしょう。それは当然、状況や文脈によっても変わります。

なぜミステリアスなのか。ひとつは、身体の構造からのものでしょう。女性のアソコは脚と脚のあいだに隠れていて、日常生活で自分のアソコが目に入ることはありません。見るなら鏡が必要ですし、銭湯や温泉でも脚が閉じられていれば他人のそれを目にすることはありません。

そして、アソコについて話すことも、知りたいと思うことも長らくタブー視されてきました。同時に、生理やセックスといったアソコのまわりで起きることもタブー視されています。“普通”が何かわかりにくいのです。

 

思い切って知ってみよう。タブー意識を捨てるために


アソコは、「開けてはいけない」とされていたパンドラの箱のようなものかもしれません。開けないうちは、中に何が入っているかわからなくて怖いし、「いやらしい」「卑猥」といった世間でいわれているイメージを信じてしまいます。そうしてタブー化するのです。では、思いきって箱を開いたらどうでしょう。形や色やにおい、そして機能を知り、それが自分の身体の大事な一部だと実感できれば、もう怖くはなくなるでしょう。

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『産婦人科医が教える みんなのアソコ』
監修:産婦人科医 髙橋怜奈 イラスト:竹井千佳 辰巳出版 1650円(税込)

TikTok13万フォロワーの産婦人科医が教える、今までなかった女性器の本。「アソコ」と呼ばれ続けてきた「女性器」をタブー視するのではなく、自分の身体・大切な人の身体の一部として、向き合うきっかけをくれるはず。多種多様な女性器の形を描いたイラストや、においや痛みの対処法、デリケートゾーンを快適に保つ方法など、何歳から読んでも新たな発見がある女性器の知識が満載です。イラストはNHK「ガッテン! 」タイトルロゴ・セット イラストレーションなど多方面で活躍する竹井千佳さんが担当。本棚に馴染むよう、リバーシブルカバー仕様という嬉しい配慮も!



構成/金澤英恵

 

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