きっとプレッシャーもすごく感じているんじゃないかな、と思います。彼も人間だから
――スクールにはJIMINさんのサインもあります。デビュー後も交流は続いているのですね。
キム:はい、デビュー後、ここに2、3回来たことがあります。最後に会ったのは、2019年ごろです。このスクールに来ました。「先生と話がしたくなったので、釜山に行ったら連絡します」と。「元気か」「最近はどう?」とたわいない話をしました。スクールを離れるとそれっきりになってしまう生徒も少なくないなか、JIMINは連絡してくれるんです。そんなJIMINは、すごく信頼できる人だと思っています。
――BTSはグラミー賞に2度ノミネートされるなど、世界的アーティストになりました。いまのJIMINさんを見て、どんなふうに感じていますか。
キム:スターとしてのオーラや風格がありますが、純粋な部分は変わってない。スキルの面では、以前はダンスに力が入っていたけれど、いまは力を抜く方法を覚えましたね。
ソウルで一度コンサートに行ったことがあります。ステージの上のJIMINは輝いていました。数万人もいる会場で、遠くから見たにもかかわらず、特別な光を放っていました。JIMINの努力が実り、成功するのは当然だという気持ちもある反面、……きっとプレッシャーもすごく感じているんじゃないかな、と思います。彼も人間だから。このスクールから練習生になった生徒が何人かいるので、芸能人として生きるのは、しんどいことも少なくないと知っています。
――いま、JIMINさんに伝えたいアドバイスはありますか。
キム:ないです。逆にJIMINに教えてもらいたいことがたくさんあります。「子どもたちにレッスンをしながら、こんなところが難しいんだけど、JIMINはどうだった?」と。
実際に、一生懸命に教えても教えたとおりにできない子がいたときに、JIMINに尋ねたことがあります。すると、こう言ったんです。「先生、生徒をコントロールすることに固執するよりも、先生自身の人生を生きたほうがいいと思います」と。彼は発想が違うなと思いました。わたしはJIMINから、本当に多くのことを学びました。
――将来について望むことは。
キム:JIMINは電話で話したときも、「僕はずっと踊り、歌い続けていきたい」と語っていました。アーティストのなかには、プロデューサーになったり、事業を手掛けたりする人もいますが、JIMINは「アーティストとしてダンスと歌がもっとうまくなりたい、学び続けていきたい」と。
30歳を超えると、アーティストは自分のカラーを出したいと願うものです。ダンサーも、歌手も。グループとしての活動はもちろん、JIMINがソロでもライブをする姿を見てみたいですね。ずっとずっと長い間、アーティストらしく輝いていく姿を見たいです。
取材協力/KOREA GUIDE CENTER
撮影/桑畑優香
構成/露木桃子
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