頼れる存在! 老人ホーム紹介業者とは


高齢者向けの施設は、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅など、さまざまな種類があります。利用するための条件やサービス内容、料金も異なるため、施設探しの経験がない方がスムーズに選ぶのは大変です。そこで力になってくれるのが、老人ホーム紹介業者(老人ホーム紹介センター)です。

老人ホーム紹介センターは、智子さんのように「どこの施設を選んだら良いか分からない」と悩んでいる方におすすめです。自分で闇雲に調べて施設に話を聞きに行くよりも、いろいろな状態の方を見ている紹介業者に頼るというのは得策。紹介業者の多くは民間企業が運営しており、親の状態を客観的に見て、適切な高齢者施設をアドバイスしてくれます。予算やケアの必要性、本人や家族の希望などを踏まえ、最適な施設を紹介してくれるのです。

智子さんは、ご友人の直美さんが施設選びで失敗したと話していましたが、直美さんのお母様も同じ認知症で要介護2。初期費用を抑えるため、一般型のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を選んだそうです。ただ、ここには比較的元気で要介護度が低い高齢者も多く、認知症の方との間にトラブルも少なからずあったのだとか。また、介護サービスや認知症ケアが備わっていないため、満足できるサービスが受けられないとも言っていました。

直美さんも早い段階で老人ホーム紹介センターに相談していたら、今後を見据えたアドバイスをもらえたかもしれません。

 

老人ホーム紹介業者を利用するには
 

民間の老人ホーム紹介センターは、インターネットで検索できます。【老人ホーム紹介センター 東京都】のように、どこの地域で施設を探しているのかを基準に検索してみましょう。

まずは第一印象になってしまいますが、ホームページが見やすい、内容的に良さそうなところに相談予約をすることになります。近年はオンライン相談を受けている紹介センターも多いので、遠方にある高齢者施設に入りたい場合は、その対応をしてくれるところがおすすめです。
 

良い紹介業者の見つけ方


高齢者の数が増加する中、紹介センターの数も増え続けています。現状、仲介に資格は必要なく、届出も義務ではないため、中には悪徳業者もいるようです。トラブルも起きていることから、2020年6月に「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」が創設されました。

これにより、「高齢者住まい事業者団体連合会」に届け出た紹介会社が団体のホームページで公開されるようになり、その情報は厚生労働省にも報告されています。営業拠点、成約実績、紹介対応エリア、対応施設数も公開されているため、参考にしてみてください。老人ホーム紹介業者は知っていても、高齢者住まい事業者団体連合会で調べれば安心という、悪徳業者に引っかからない方法は知らない人が多いように思います。そこでまずは、このサイトからチェックしてみてはいかがでしょうか。
 

老人ホーム紹介業者のメリットとデメリット


老人ホーム紹介業者を利用するメリットは、自分では見つけにくい施設情報も入手できること。老人ホームを探す際、ほとんどの方はケアマネージャーに相談したり、インターネットで検索することが多いと思います。ですがそれだけでは知っている情報は限られてしまいますし、ホームページだけで判断するのも躊躇してしまうかもしれません。その点、老人ホーム紹介業者を使えば情報量が格段に増えます。

また、老人ホーム紹介センターのほとんどが無料で利用できるのも大きなメリットです。

反面、デメリットは、先ほども述べたように悪徳業者も含まれている点です。相談は無料でも、紹介料が高額となるケースも。そこで高齢者住まい事業者団体連合会のサイトでまずはふるいにかけ、その中の業者の条件を確認するという2段階で探してみてください。
 

老人ホーム紹介センターに行くタイミング


老人ホーム紹介センターに行くタイミングは、施設への入居を意識したその時です。智子さんのお母様のように、認知症が進行していたり、物忘れが目立つ、自立歩行が困難になりつつあるといった身体機能変化があった時、食生活が不規則になった時などに考えてみてください。
 


写真/Shutterstock
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子

 

 

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