周囲の目より「自分自身と折り合いがついている」ことが大切

「ふさわしくない」「してはいけない」の足かせを外して。40歳で服を脱いだ、私の誇り【歩 りえこさん】_img3
 

――『ブラを捨て旅に出よう』で書かれていた、「毎日を精一杯生きる。自分だけの人生を生きる」という信念は、20年経った今でもお変わりないのだと感じます。

 

 5年間ワンオペで育児する中、「これ私ひとりで解決するなんて無理じゃない?」と窮地に立たされたこともたくさんあったんです。でも、毎回どうにかして乗り越えられてきたので、自信がついたのもあるかもしれません。今は「人生なんとかなる」がモットーですね。ただ、写真集決定から撮影までは3週間しかなかったので「なんとかせねば」と思って頑張りました(笑)。

――撮影に向けてどんなことをされたんですか?

 食事管理、エステ、ボディケア、適度なトレーニングが中心でしたね。年齢と共に代謝が落ちたのかすごく努力しないと痩せづらい、太りやすい、疲れが出やすくなったので、完璧を目指すのはやめました。週1回は子どもと必ずお出かけするので、その時はしっかり美味しいもの食べて自分にご褒美をあげるのも忘れずに。というのも、20代の頃にストイックなダイエットをしすぎて、心身のバランスを崩してしまったことがあって。だから今回は、自分の体の自然な丸みやふくよかさも含めて自分なのだと受け入れるようにしました。40歳の自分が持っている全てを、より魅力的に見せる仕草や表情、むしろそういった表現力に重きを置いたんです。

――写真集も拝見しましたが、今おっしゃっていたこだわりが伝わってきます。

 とはいえ、カメラの前で服を脱ぐなんて「子どもを育てる母親にふさわしくない」と思われる方も当然いらっしゃるでしょう。でも、それは私が否定することではないと思っていて。私自身はこの写真集を芸術作品だと捉えていますし、後ろめたい気持ちは全くありません。そもそも「自分自身と折り合いがついている」ので、誰かに何かを言われても気にならないです。

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 世の中には「ふさわしくない」「してはいけない」というタブーがたくさんありますが、誰かのタブーは、また違う誰かのタブーとは限らないと思うので。それが犯罪でない限り、物事の良し悪しは周囲の目や意見ではなく自分で決める。それでいいんじゃないかって。40歳のありのままを解放できたこの写真集は、間違いなく私の誇りです。子どもたちが大きくなったら「お母さんきれいでしょ?」と自慢したいですね。
 

【TV出演情報】2022年10月26日 (水) 21時〜21時54分放送
日テレ系「上田と女が吠える夜」クレイジーな旅好き女子大集合スペシャル!

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『ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記』
著者:歩 りえこ 講談社 660円

20代の著者が約2年をかけてほぼ世界一周、5大陸94カ国を旅した記録。度重なるハプニングに遭遇しながら、その国の異文化、現地の人々の温かさに触れて、たくましく成長していく筆者。読めば元気が湧いてくる、パワフルで型破りな痛快旅行記。
 

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『歩りえこ 1st写真集 スフィア』
写真:山岸 伸 著者:歩 りえこ 講談社 3850円(税込)

40歳になり、他人にどう見られるかよりも、自分の可能性を広げたい。そう考えて、自分自身を解放するべく臨んだヘアヌード写真集。世間一般の美の基準ではなく“自分らしい美しさ”を優先して、ありのままの“ふくよかさ”や“丸み”、歳を重ねたからこそできる仕草や表情を収めた、新たな旅立ちの一冊。(画像:写真集『スフィア』より)



撮影/森 清(講談社写真部)
取材・文/金澤英恵
 

 

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