バンクーバーには危険なエリアもあるので注意が必要

カナダ・バンクーバー「治安と子育ての環境」事情。危険な地域はある?【小学生と親子教育移住】_img7
Googleマップより掲載。赤線を加筆。後の話で出てくる、私が訪れた「ル ラボ(Le Labo)」は、赤枠で囲った通りの左上あたりにあります。赤いピンを付けています。

バンクーバーはとても良い街であるのは事実なものの、すべての場所が安全とは言えません。これはどこの国でもそうですが、治安が悪いとされているエリアもあります。いちばん有名なのは、ダウンタウンから程近い、「イースト・ヘイスティングス・ストリート」ではないでしょうか。地図に赤枠でおおよその場所を囲みました。この辺り一体は、昔ながらのクラシックでおしゃれなレンガ造りの建物が並ぶ街並みで、地図の赤枠で囲った場所の少し左には、スタイリッシュで話題のお店が並ぶ観光地の「ガスタウン」もありますので、一見危険ではなさそうに感じるかもしれません。ところが、その通りに近づくにつれ、突如雰囲気が変わります。後で詳しく書きますが、私はこのガスタウンへ行き、いつの間にかその危険地帯の近くまで行ってしまったことがありました。以前に“危険なエリア”として頭に入れておいたはずの場所なのに。

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写真を撮る勇気はなかったの、危険とされるエリアに近い画像を探してきました。写真:Shutterstock

さて、このエリアが一体どんな雰囲気なのかは、Googleマップのストリートビューなどで見られます。ホームレスの方が歩道沿いに生活されており、ブルーシートが並んでいる場所もあります。薬物中毒者もいるそう。無気力に座っている人、横になって寝ているのか倒れているのかわからない人、ホームレスの人の荷物を漁るまた別のホームレスの人、などなど。昼間でも異様な雰囲気が漂います。現地で生活されている方に話を聞くと「道に注射器が落ちていることもあるので、サンダルでは歩けない場所」「徒歩ではもちろん近づかないし、車でもこの通りは走りたくないくらい」とおっしゃるほどです。

 

先にも少し書きましたが、そんな危険な地域に意図せず近づいてしまったことがありました。

ダウンタウンでの用事が想定よりも早く終わり、次の予定まで少し時間が空いてしまった日のこと。大好きな香水のお店「ル ラボ」に行きたいなと思い、調べてみるとその時いた場所からバス1本ですぐ行けそうだと分かりました。私が住んでいる郊外には「ル ラボ」を扱うお店はないので、これは今買っておかなければと思ったのです。自宅から遠いダウンタウンにはしょっちゅう来ないですし。

そう思い、Googleマップの案内通りに向かっていたのですが、途中で「もしかしてこっちの方面は……」と思い出し、一気に不安に。その不安は的中し、ナビ通りに向かうと、上の地図の赤枠で囲った範囲にあるバス停で降りなければならないことに気づいたのです。「ル ラボ」の位置も上の地図に赤いピンマークを付けていますので見てみてください。おしゃれな街、ガスタウンにあるのですが、危険な通りと目と鼻の先でした。

幸い、そのバス停に向かう前に気づけたので、ひとつ手前のバス停で降り、イースト・ヘイスティングス・ストリートを通らない道順で向かうことにしました。ただ、赤枠で囲んだ危険エリアの周辺も安全とは言えない雰囲気だったので、なるべく一般の人が歩いている道や大きめの通りを選び、着ていたアウターのフロントファスナーを上まで閉めて肌の露出を減らし、無表情(不安そうな表情にはせずに)で、そして早足で歩いたのでした。

無事買い物を済ませた帰り道も、一刻も早くその場所を離れたかったので、できるだけ近く、そのストリートに近づかないで済むバス停を使うことに。バスが来るまでの10分くらいの時間がとてつもなく長く感じました。

私は幸い、怖い目に合うことはありませんでしたが、声をかけられてお金を渡すように言われたという声も聞きます。
いくら安全と言われるバンクーバーでも、場所によっては危険な思いをすることがあります。もちろん、その地域に比べると安全と言われている場所でも、人通りが少なくなる時間帯や暗い時間帯には、裏路地には絶対に行かず、遠回りでも大通りを通ること、子供からは絶対に目を離さないこと、いかにも観光客っぽい服装はしないこと、荷物で場所取りをしないことなど、日本とは違う危機意識をもって生活をしています。
 

構成・文/高橋香奈子

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前回記事「どれくらい英語ができれば留学できるのか【小学6年生からのカナダ留学】」>>

 
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