2022年8月から小学生の息子と一緒にカナダのバンクーバー地域へしばらく移住をすることにしたファッションエディターが発信。母子留学を考え始めたきっかけから出発当日までの準備、渡航後は現地の学校や暮らしをリポートする連載です。今回は小学生の子供の留学に付き添う親はどれくらい英語力が必要なのかについて。

 

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英語は喋れれば喋れるだけ有利

画像:Shutterstock

当たり前のことを言ってしまいますが、海外生活で英語は喋れれば喋れるほど、毎日がスムーズになります。たとえば、旅行でハワイやグアムなどの観光地に行くのであれば、入国審査官が“この人は英語が得意でなさそう”と思ったら「なんにち?(何日滞在するのか)」などと、日本語で聞き直してくれることもありますが、海外移住となるとそういうわけには行きません。私の場合は、入国審査のあと、子供の学生ビザの発行、それに付随する私のビジターレコード(観光ビザのようなもの)の発行があったので、カナダの空港についた途端、一言二言では済まない英語が求められます。日本語でのサポートはまったくありませんでした。

携帯電話やインターネットの契約も、困ったときもすべて英語が必要


空港を出てからも、タクシーに乗ったとき、予約していたホテルやエアビーについたとき、賃貸マンションの入居説明を受けるとき、新しく携帯電話やインターネット、電気の契約をするとき、学校の先生や親御さんと会話するときなどなど。有料で通訳でも雇わない限り、すべての行動に英語を伴います。
 

私の英語力は20年のブランクが……


では、私の英語力はどれくらいかというと……恥ずかしながら約20年のブランクがあります。学生時代は英語が好きで得意なほうだったのですが、社会人になってからはほぼ使う機会がなく、また日々の仕事の忙しさに追われて、英語の勉強はまったく継続できていませんでした。
しかも、言い訳にはなりますが、子供の留学をぼんやりと考え始めたのがカナダに行くことが決まった約1年前、正式に留学の申請を進めたのが、カナダに到着する半年前だったこともあり、渡航のための自分の英語準備は正直ゼロでした。とはいえ、子供は英語しか通じない学校で過ごす時間が多いけれど、私は家にいることが多いし、日本の仕事をオンラインでするから、そこまで高い英語力がなくてもいいのでは? という過信もあったと思います。
 

「海外旅行で使う英会話」と「生活で使う英会話」はまったく違った!

息子のゲーミングデスクを購入したら、両方右脚でした。車が無いなか、重いデスクを息切れしながら持ち帰ったのに、脚だけの交換はできないと言われ、再度すべてのセットを箱に戻し、返品するためにまたお店まで運び直しました。こんな交渉ごともすべて英語でするのが生活するということ。
鍋敷きを通販で頼んだら、金属なのに曲がった状態で届きました。この場合はオンラインチャット機能を使った文章でのやりとりだったので、会話するほどの大変さはありませんでした。

長いブランクもあったし、自分は英語を流暢に喋れる自信はなかったものの、コロナ禍前までは、年に数回海外旅行もしていて、旅行では特に英語に困ることがなかったので、そこまで心配していなかったのが正直なところ。

ですが、実際にこちらで生活をするとなると、旅行時の買い物やレストランでの注文のような、ある種パターンが決まったような英会話ではなく、想定外の話をしなければならないことが想像以上に多かったんです。

スーツケースを5個詰める大きなタクシーを呼んだのに、普通車のタクシーが来ちゃった時とか、注文した自転車が組み立て式なのに、組み立て方の説明書が入っていなかったとか、エアビーで洗濯機が壊れちゃたとか、買ったものが不良品だったとか。旅行ではあまり使わないことですよね。

相手が言っていることはわかっても、想定外のことがあったときは、こんなときなんて言うんだっけ? この単語が出てこない! と悩んでしまうことがあります。
 

特に英語での電話は大の苦手


まだストレスが少ないのは、メールや学校から配られる書類など、文章でのやりとり。これは困ったら翻訳ツールなどを使えばOK。そして、相手と面と向かって会話をするときも、頑張ればどうにかなります。考えたり調べたりする時間が短く、瞬発力が必要なものの、相手と直接顔を付き合わせているので、表情も分かるし、はっきりとした声で聞けるので、まだいいほう。
いちばん苦手なのは「英語での電話」です。先日、携帯電話の契約を変更することになったとき、電話で40分程度、契約の話を進められたときは、本当にぐったりしました。騒音のある中での電話や、電波状態がよくない、ジリジリと雑音がする状態での電話もなかなか聞き取れなくてストレスになります。AIで自動応答の電話もとても苦手。いくつかの数字を言うだけなのに、機械がうまく判断できない発音があると、何度も聞き返されました(汗)。
 

カナダは移民が多いからか、こちらが間違っていても、ちゃんと聞いてくれることが多い


ただ、救いなのは、カナダは移民が多い国だからか、こちらがあまりちゃんとした英語を喋れないときでも、言い間違いをしたときでも、優しく聞いてくれる雰囲気があると感じています。これには本当に助かっていて、カナダを選んでよかったと思うほどです。
 

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