ドクターラバーな彼女たちの「ドクターランキング」


釣書きとは縁談時にお互いで取り交わす自己紹介書のこと。高志さんには告げていませんでしたが、凛子さんは当然釣書き用の写真だけで十数枚あるレベルです。「恥ずかしい」とつぶやきながらも、一番良く撮れていて、凛子さんの母親が専門の業者に推敲してもらった釣書きを用意し、渡しました。

「医者になるか、医者の嫁か」母の狂気が娘を呪う...医者婚に執着した彼女の奇妙な婚活_img0
 

「話は逸れますが、『医者と結婚したい女』は、医者をさらに値踏みするんです。人気があるのは、とにかく稼ぎが多い大きな病院の開業医、それから外科、ER、ICU、形成外科などで働いている方。高志さんは内科で、おじいさんの病院を継いでいます。絶対に結婚したかった。釣書きは自分でいうのもなんですが、学歴、茶道、日舞、ひととおり揃えていたので無下にされることはないと思っていました。母に珍しく感謝したんですが……」

 

高志さんのお母さんは、釣書きを見て、なんと激怒したというのです。

理由は凛子さんが医者ではないこと、そして年齢でした。高志さんはその時42歳でしたから、32歳の凛子さんはむしろ若いと思われましたが、何が何でも女医と結婚して実家の病院を拡大してほしい、そして跡継ぎが欲しいお母さんは、「20代の医者の嫁を」と失礼な主張をしたそう。

後日初めて高志さんに呼ばれてご実家に遊びにいったときは、「うちは医者しか上がれないの」という信じがたいセリフとともに、玄関先で追い返されてしまいます。

凛子さんのご実家と同じくらい、奇妙な家庭です。おまけに子どもを産む道具のように言われて、腹がたちましたよね? と尋ねると、凛子さんはにっこり笑い、驚くべきことを口にします。