大人の学び直し「リスキリング」への関心が高まりつつある昨今。これまでも「生涯学習」や「リカレント教育」が推奨されてきましたが、人生100年時代における「大人の学び」は、仕事のためにも、人生を豊かにするためにも重要なのだと感じています。とはいえ、大人は仕事に家事にと忙しく、学生時代ほどまとまった時間が取れません。なるべく効率的で効果的な勉強法を知りたい! というのは、学び直しを始めようとする人たち共通の願いではないでしょうか。そこで手に取ってほしいのが、藤吉 豊さんと小川真理子さんの共著『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』です。
タイトルの通り、本書は著者のふたりが勉強法について教える名著100冊を分析し、学習に大切な共通ノウハウやポイントを1冊にまとめてくれたもの。これだけでもありがたすぎるのですが、多くの著者が「大切」だと説くポイントをベスト40にまとめ、ランキング式にしてくれているのです……! 今回はそんな至れり尽くせりの本書から特別に、大事な順トップ8にランクインした3つの勉強法をご紹介します。
【100冊を集めてわかった本当に大切なルール:その1】
「目的」と「ゴール」を明確にする
「『目的』と『ゴール』を明確にする」については、100冊の著者の多くが、
「自分はどうなりたいのか」(=理想、目標)
「何のために、そうなりたいのか」(=目的、理由)
をはっきりさせることの大切さを説いています。「なりたい自分」を明確にする理由は、おもに次の2つです。
●勉強に対する意欲が湧く
「いつ使うかわからないけど、英語が話せたらいいなぁ」「どこでもいいから大学に入りたいなぁ」「就職に有利かもしれないから、資格試験でも受けてみようかな」と、「なんとなく」で始めた勉強は、「気持ちが続かない」と、勉強の達人たちは指摘しています。一方、自分の中で「勉強の目的」がはっきりしていたり、「こんな自分になりたい」という目標がはっきりしていると、向上心や真剣度が高くなります。
「人間は『目標』がないと動きません。いってみれば、目の前にニンジンがぶら下がっていないと走り出せないのです。(略)『ニンジン』を見つけるには、まず自分の理想を明確化していくことです。『自分がどうなりたいか』を明らかにしていくのです」
――吉永賢一『東大家庭教師が教える頭が良くなる勉強法』/中経出版
●「何をすべきか」が具体的になる
「なりたい自分」を詳細にイメージするほど、目標達成に必要な方法が見つかりやすくなります。「なりたい自分の姿」や「勉強する目的」があいまいだと、対策(いつまでに、どのような勉強をすべきか)が立てられません。
「『もっと睡眠時間を取るようにする』といった目標はあいまいすぎます。睡眠時間を長くしたいなら、目標はこうするべきです。『平日の夜は、午後10時までにベッドで横になる』 これなら自分が何をすべきなのかが、具体的になります。実行できなかった日にも、それがはっきりとわかります」
――ハイディ・グラント・ハルバーソン『やり抜く人の9つの習慣』/ディスカヴァー・トゥエンティワン
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