迷信渦巻くSNS、無法地帯のメタバース……技術の進歩で人類は退行する
機械化は人類の進化の象徴のように言われますが、そうではないよなあと最近よく思います。技術の進歩は時代を退行させたり、人間をより野蛮化させたりしているんじゃないか。実際、ネットの世界ではSNSの流言飛語と誹謗中傷で人が死に追いやられ、根拠のない迷信や陰謀論を信じてしまう人が続出。使っている技術と道具は最新でも、中の世界は中世に逆戻りです。
メタバースも同じことが進行しつつあります。ここ数十年で進んだグローバル化に疲れ果てたのか、仮想空間の小宇宙が乱立状態。宇宙ごとにいちいち入る手間がかかるので、全然つながってる感がありません。むしろ閉鎖しているからこそ無法地帯の自由があるという感覚で、これつまりは仮想空間で、グローバル化する前の世界に戻りたいんだよなと思います。違うのは括りが既存の国家ではないという点。既存の通貨や既存の国家、既存の法体系に縛られない!というのは一見新しい自由を手に入れたかのようですが、要はそれらが多くの犠牲と叡智によって作り上げてきた秩序を手放してゼロから作るということですから、無人の荒野を我先にとに開拓している状態です。新しい場所で、歴史を白紙に戻して作り直したいという欲望ですね。だから放っておけば繰り返すでしょう、血塗られた歴史を。技術は人を聡明にするわけではないのです。人類は進歩を続けない。新しい土地に行けばすぐに退行するのです。
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