役者さんから直接意見を伺えるのは貴重なんです


最初の映画『嘘八百』から『ミヤコが京都にやって来た!〜ふたりの夏』(シリーズ第2弾)、『嘘八百 なにわ夢の陣』(シリーズ第3弾)までわずか4〜5年というスパン。佐々木さんと今井さんは短い間に何度もお仕事をご一緒され、ふたりの間に深い“信頼感”があるとか。

【佐々木蔵之介×脚本家・今井雅子】「“ダメ出しを貰える役者”でいなきゃアカン」大ヒットシリーズ3作目にして築いた信頼_img1

 

佐々木蔵之介さん(以下、佐々木):今井さんは僕らの意見を「ちゃんと汲み取って下さる」というところが大きいのだと思います。今井さんはとても柔軟。僕らの意見を取り入れて、さらにいいモノにしていこうという意識がとても強い。そんな意見があるなら、それをどうやって脚本の中に反映させようかと考えてくださるのだと思います。

 

今井雅子さん(以下、今井):ありがとうございます! 『嘘八百』の最初からそこまで関係性が出来ていたかというと、そういうわけではありませんが……(笑)。一作目のときはまだ距離がありましたし、二作目でもまだまだでしたよね。

佐々木:『ミヤコが京都にやって来た!』をご一緒したのもありますよね。でも今井さんは、ちゃんと“エンタメ”にしようとしてくださるのがいいなぁと僕は思います。面白くしよう、笑えるようにしよう、心が動くようにしよう、というふうに思ってくださってるんだろうなって。

今井:『嘘八百』で作陶を担当している陶芸家の檀上尚亮先生が、そもそも私の夫の友人だったというのも大きいですね。彼は作陶だけでなく、蔵之介さん演じる、野田佐輔のキャラクターづくりにも関わっていましたから。

佐々木:そうですね。檀上先生とお知り合いという関係性があったのも、確かにそうです。でもやはり、今井さんの才能というか心構えというか、そういうのが根底にあると思うんです。チカラのある方だから、役者の意見を受け止められるというか。

今井:そう言ってくださるのはとても嬉しいです。でも、役者さんから直接意見を伺えるのは貴重なんですよ。通常なら役者さんの意見はプロデューサーさん経由で聞くことになるのですが、そうすると細かいニュアンスがちょっと違って伝わることも多くて。