あまりに大きすぎた「交際0日婚」のリスク
これほど美人で仕事も成功している女性が、男性に対して静かに牙を剥くような様子を見ると、世の中の男女関係は昔ながらのおとぎ話とはほど遠く、やはり複雑なのだと思わずにはいられません。
一体、短期間でどのような経験をされたのでしょうか。
「一度目の結婚は“交際0日婚”ではありましたが、元夫とは数年間友達の関係でした。食事会で出会ったのですが、当時の彼は5歳年下の研修医。会話が弾み食事にも出かけたものの、まだ学生のような雰囲気で経済力もなく、恋愛対象にはならなりませんでした」
またこの頃、美月さんはカフェの店舗拡大のため多忙で、恋愛をする余裕もあまりなかったそう。けれど元ご主人は、交際には至らずとも美月さんにアプローチを続けました。
「実は、顔だけは最初からかなり私のタイプだったんです。私も仕事で忙しくしているうちにあっという間に数年が過ぎ、その間に彼は医者になり、だんだん男らしくなって……徐々に気持ちが揺れていきました」
医者になった元ご主人は、美月さんをまるでお姫様のように扱ったそう。高級レストランのデートや、誕生日にはブランド品のプレゼント。さらには近々クリニック開業を予定していると言いました。
そして彼は、長年想いを寄せた美月さんへ、交際を飛び越えて突然プロポーズしたのです。
「友達として接する間にだいぶ心も打ち解けていたので、こんなに長く私を想って大切に扱ってくれる人なら、思い切って結婚しちゃってもいいや、と思ったんです。しかも、気づけば彼はイケメンの開業医……。彼の表面的なプレゼンテーションに私もすっかりその気になってしまい、プロポーズにYesと答えました。“交際0日婚”というのも面白そうと思って」
経営者という気質もあるのか、美月さんは上品で落ち着いた印象とは裏腹に好奇心旺盛で、何かを挑戦する際のリスクも受け入れられるタイプ。
それが彼女の魅力と能力の一つでもありますが、しかしこの結婚は、実はあまりにリスクが大きいものでした。
「結婚後も、しばらくは彼の贅沢なプレゼンは続きました。都内のタワーマンションに新居を借りて、記念日にはホテルのスイートルームを予約してくれたり……。新婚生活は本当に楽しく、すぐに息子も妊娠して、幸せでいっぱいでした」
けれど順調な結婚生活を送りながらも、たびたび美月さんの頭にある疑問がよぎりました。
「近々開業すると言っていたのに、夫がいつまでも開業しなかったんです。ようやく物件は見つけたとか、雇える看護師が見つかったところだとか、聞けばそれなりの返答はしますが、動きが遅いな……とは何となく思っていました。ただ、私とは業界も違い、医者の事情も当然知りません。家庭は順調だし、収入もあるし、まぁいいかと楽観的に考えていました。今思えば、違和感に目を瞑ってしまっていたんですね」
話を聞く限りでは、医師とはいえ勤務医で、開業準備中の男性にしてはやはり金銭感覚が派手すぎるのでは? という印象を受けます。
しかし美月さんのような本来賢い女性でも、恋に落ちてスピード婚を決め、幸せの最中にいると、男性を見る目が甘くなってしまうようです。
「完全に平和ボケしてたんです……。蓋を開けたら、元夫は貯金が1円もない男だったんですから」
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