自分をいじめている人3:自分の心の声を無視する
ある程度の年齢になっても、「自分の好きなことが分からない」「自分がなにをしたいのかわからない」という人が意外といます。若い人であれば、経験が足りないから分からないこともあるかもしれませんが、40、50代以上になってもそういう状態の人は、「自分の心の声が聞けていない」のかもしれません。
特に現代は、「心」よりも、「頭」で答えを出すことが重視されがち。また、やりたいことがあっても、「もう歳だし、今更できない」など、自分の思いを頭ごなしに否定してしまっている人は多くいます。
私たちは自分の中から湧き出た“「やりたい」という思い”を軽く見過ぎています。それは幸せになるためには、“とても大事なヒント”。無視してはいけないのです。
もちろんやりたいことをやるためには、現実的な部分との折り合いをつけるのは大切です。でも、それもしないで、ただただ「その思いがなかった」かのように無視してしまうと、だんだん「自己との関係」が良好ではなくなってきて、ひどいときには生きている理由が見えなくなってしまうこともあるでしょう。
実現可能かどうかはさておき、とにかく「自分に正直でいる」ことはとても大事なことなのです。
自分の内側に気持ちを向ける
現代人は、日頃、自分の心の声を聞けていない人が少なくないので、自分の気持ちに鈍感になってしまっていることが多いものです。
その原因は、「情報過多」だと考えられます。家ではテレビや音楽を流しっぱなしにしていたり、外出中もイヤホンで音楽を聴いていたり、電車の中では、スマホで情報のチェックばかりをしていたりする人は多くいます。また、常に誰かと一緒にいたり、LINEなどで連絡をとりあったりしてつながっていることを好む人は多いです。
そんな環境では、ずっと自分の「内側」ではなく、「外側」にばかり気が向いていてしまいます。それでは、自己を見失っていってしまうことも多いでしょう。
そういう人こそ、意図して「1人の時間」を作り、音も情報もシャットダウンして、自己と向き合う時間を持ったほうがいいです。べつに瞑想をしたり、家に引きこもったりしなくてもいいので、1人で緑の多い公園を散歩するなどして、「無心になる状況」を作るのです。そうすると、自己との対話が始まることが多いでしょう。
人から無視をされるのは誰だって嫌なものなのに、「自分が自己に対して無視してしまっている」のは問題です。もっと自分の心の声に耳を傾けましょう。
時に「感情を吐き出す」ことも大切!
私たちは大人になるにつれて、「感情を飲み込むこと」を覚えていきます。特に社会人になると、「仕事では、感情を抑えることが重要」だと教わります。
もちろん職場で感情的になるのはよくないことが多いのですが、沸き上がった感情を「なかったこと」にしないほうがいいのです。そんなときは、仕事帰りに同僚に話を聞いてもらうなり、家に帰ってノートに書き出すなりして、感情を吐き出したほうがいいでしょう。
たとえば、人に意地悪する人ほど、自分の中にある「嫉妬心」には気づいていないことも多いものです。
結局、自分で気づこうが、気づかなかろうが、「自分の心の在り方」によって言動が変わってきます(※自分は気づいていなくても、周りには心の状態がバレることが多いです)。さらに言えば、人は強い感情と欲望に振り回されやすい生き物です。だから、変な言動をしないためにも、常に自分の心の状態は把握しておいたほうがいいのです。
たとえ自分の中に“醜い感情”があるのだとしても、それもきちんと認識し、受け止め、“平和的なやり方で消化する術”を持つと、生きやすくなってくるでしょう。
自己と上手に付き合っていこう!
「がんばるのはいいこと」「うぬぼれないことは大切」「感情をおさえるのが大人」……私たちが自分をいじめる癖は、子供の頃に教わった教育の影響も意外とあります。
“その教えそのもの”は悪くなくても、状況によっては、正しかったり、正しくなかったりすることもあります。だから、固定観念や先入観を捨て、柔軟に対応していくことが大切なのです。
日頃から、心と体の声を聞き、無理をし過ぎず、きちんと褒めながら、自己と上手に付き合っていきたいものですね。
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