「あのとき、こうやったね」と家族旅行みたいに話せる作品


そんな脚本家の姿勢が功を奏してか、『嘘八百』シリーズは一作目から大ヒット、シリーズを重ねるごとにどんどんスケールアップした作品となっています。

今井:スケールアップ感、感じていただけていますか?

佐々木:撮影期間に関しては、間違いなくアップしているよね(笑)。

今井:撮影期間は二倍になりました(笑)。一作目が16日、二作目は21日、今回は30日間ありましたから。

【佐々木蔵之介】大ヒットシリーズ『嘘八百』の裏話...脚本家・今井雅子と作り上げた役柄_img2

 

佐々木:一回目のときは本当に暗いうちに撮影に向かい、暗くなってからホテルに戻るというスケジュールでした。今、どこにいるか分からないし、帰ったら気絶するように寝て、という期間で必死にやったのを覚えています(苦笑)。今回、また堺に戻ってきたときに、ようやく堺の街を明るい光の中で見られて……。撮影が終わって帰るときには惜別の念を感じましたよ。堺から離れるのは寂しいって思ったくらい。

今井:一作目、16日間で撮影したときは……。

佐々木:まったく湧かなかった(笑)

今井:(笑)。でも、こうやって一作目、二作目、三作目を比べて話せること、私はすごく幸せに感じています。「あのときこうやったね」って話すのは家族旅行みたいじゃないですか。この前行った堺、その前は京都行ったね、って。

佐々木:そんな作品はなかなかありませんから。