幸せのロールモデルを幅広く探すことが大事
「働いた先の幸せのロールモデル」を探すのすら難しい場合もあります。
ひろゆき:男性と対等に働いている女性は都会に多いですが、東京だとダブルインカムだとしても庭付き一戸建てを手に入れるのってほぼ不可能じゃないですか。家族で暮らすには手狭なマンションを何とか手に入れ、その後も子供を育てるために余裕なく働き続けている、という人がほとんど。そこを見ても、自分の求める幸せなんて見つかるはずがないと思います。
それよりも僕がお勧めするのは、地方に住んでいる人の話を聞くこと。先日、ある機会があって青森県の八戸というところを訪れたんですけど、そこに脱サラして料理人になったという人がいたんですね。しかもその店はランチ営業しかしていなくて、一食が1000円程度。だけど家賃が2万5千円とかで、光熱費も安いので、1日に数人のお客が来ればやっていけるそうなんです。それでたっぷりある残り時間は、家族や趣味のために使える。しかも東京より家も広かったりして、圧倒的に豊かな生活を送っていたりする。そういう世界もある、と知ることは大事だと思うんですよ。
――その場合、高価なものは買えないでしょうし、「再び稼ぎたい」となったとき、一度第一線で働くことを辞めてしまうと再スタートを切るのが難しい、といったマイナス面もあるでしょうか。
ひろゆき:でもそういう場合も、今の時代は、昔より浮上するチャンスが掴みやすくなっていると思うんです。たとえばネットで手作りのコスプレ衣装を売ったり、ブライス人形の洋服を作って売っている人の話を聞いたことがありますが、ニッチなゾーンなので、それなりの値段で売れているそう。また、これは極端な例ですが、『ハリー・ポッター』シリーズの著者、J・K・ローリングは、生活保護をもらいながら小説を書いていたら、それがあの成功につながったわけです。
会社でコツコツ働き続けても、役員など一つのものにしかなれませんし、さらにいえばmi-molletの読者さん世代だと、今さら職場で何かを大きく目指すことって難しいでしょう。でもほどほどの収入でいいと割り切り、余った時間で副業を始めれば、何者にでもなれる可能性がある。そういった幸せの探し方をするのもアリでは? と僕は思います。
<作品紹介>
『99%はバイアス』
ひろゆき著
¥1650/ダイヤモンド社
現在、SNSの総フォロワー数は300万越えのひろゆき氏。大ブレイクの裏側には「バイアス(思い込み)」を操る技術があったことを、初めて明かしたのがこちらの最新刊。「仕事が上手くいかないときの乗り越え方」、「会社で老害にならないために」、「仕事の休み方」など、自身の実体験をもとに、人や組織を動かす具体的な戦略やスキルを綴っています。どれも客観的でロジカルな思考から編み出されたものなので、誰もが学びやすく、生かしやすいものばかりです。
撮影/榊智朗
取材・文/山本奈緒子
構成/坂口彩
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